研究課題
地域生態系サービス劣化と永久凍土衰退との関連を空間的に解明することが本研究の目的である。今年度(最終年度)は永久凍土の分布とその変遷および湧水動態に関する成果を得た。以下詳細する。1.永久凍土地図化:ノルウェーオスロ大学およびモンゴル科学アカデミーと協働で、計69地点での深層地温観測値と非定常熱伝導モデルを用いてモンゴル全土を対象とした1980年代から現在までの永久凍土・活動層厚分布の変遷を1x1kmのピクセルサイズで図化した。また、中央部のハンガイ山脈と西部アルタイ山脈に対しては過去に実施した浅層地温の移動観測結果も含め、確率・統計モデルによって永久凍土分布を高精細(100x100m)で示した。2.陸水動態解析:GoogleEarthやArcGISのサービス画像など可視リモートセンシングデータを活用しハンガイ山脈に点在する1500地点の湧水の動態を調べた。現在もアクティブなものとすでに枯渇したものに区分し、後者についてはその枯渇年も可能な限り調べた。いくつかの湧水については水に含まれるトリチウム比を分析し、湧水における永久凍土起源水の寄与を調べた。この結果を論文として国際誌に公表された。3.山岳地での永久凍土指標の地図化:山岳永久凍土分布の地形的指標とされる岩石氷河の分布図を、アルタイ山脈を対象に作成した。多くの岩石氷河は氷河の縁辺部に発達するが、標高が低くても北向き斜面にも集中していることが分かった。また、細粒物質から構成され、斜面下方へのクリープ性流動を示す比較的小規模の地形が多く認定された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
Environmental Research Letters
巻: 16 ページ: 15008
10.1088/1748-9326/abdlal