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2019 年度 実績報告書

損傷クロマチンを制御するアセチル化を介したNAD代謝ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H01875
研究機関京都大学

研究代表者

井倉 毅  京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (70335686)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードTIP60ヒストンアセチル化酵素 / ヒストンH2AX / NAD代謝 / クロマチン / 放射線感受性
研究実績の概要

我々は、ゲノムストレス応答においてTIP60ヒストンアセチル化酵素によるヒストンH2AXのアセチル化が、ポリADPリボシル化酵素PARP-1の活性を制御していること、さらにPARP-1の基質であるNADを合成する酵素NADS1が、DNA損傷部位にTIP60のアセチル化活性依存的に局在することを明らかにしている。本研究課題では、これらの知見をもとにTIP60とPARP-1の連携によるゲノムストレス応答ネットワークの全貌の解明に取り組んだ。まず、NADS1が、実際にゲノム損傷領域に局在することをクロマチン免疫沈降法により検証し、NADS1が、TIP60によるH2AXのアセチル化に依存して局在することを示すことに成功した。またH2AXのアセチル化とNADSのDNA損傷部位での共局在をPLA法により確認した。TIP60によるH2AXのアセチル化は、H2AXの交換反応を促すことを以前に我々は報告しているが、今回の結果からTIP60によるアセチル化を介したH2AXの交換反応が、NADS1をDNA損傷部位に集積させていることが窺える。一方、NADS1のノックダウン細胞では、PARP-1のDNA損傷部位におけるダイナミクスが阻害されると共に、H2AXの交換反応も抑制される。これらの結果によりNADS1のDNA損傷部位への局在化によるPARP-1の活性制御とそれに伴うアセチル化を介したH2AXの交換反応との間で互いにフィードバック制御の関係が存在することが示唆され、この制御が相同組換え修復を促すことが明らかになった。また既存のゲノムストレス応答シグナルであるH2AXのリン酸化シグナルとTIP60-PARP-1の連携シグナルとの関係は、アセチル化シグナルを阻害するとリン酸化シグナルが補完的に亢進することが明らかになり、互いに相互補完的な関係にあることが示された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Epigenetic interplays between DNA demethylation and histone methylation for protecting oncogenesis.2019

    • 著者名/発表者名
      Kanji Furuya,Masae Ikura,Tsuyoshi Ikura
    • 雑誌名

      J. Biochemistry

      巻: 165 ページ: 297-299

    • DOI

      10.1093/jb/mvy124

    • 査読あり
  • [学会発表] ロジスティックモデルの更新:老化研究における新たな視点2019

    • 著者名/発表者名
      古谷寛治、井倉正枝、井倉 毅
    • 学会等名
      日本遺伝学会第91回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞の生き残り戦略:ゲノムストレス応答蛋白質間相互作用の揺らぎ2019

    • 著者名/発表者名
      井倉 毅、古谷寛治、白木琢磨、井倉正枝
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] “生物らしさ”に視点を置いたストレス応答研究の新たな挑戦2019

    • 著者名/発表者名
      井倉 毅
    • 学会等名
      筑波大学生存ダイナミクス研究センター
    • 招待講演
  • [学会発表] オートファジー機構によるがんシグナル経路の調節2019

    • 著者名/発表者名
      古谷寛治、井倉正枝、井倉毅
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第62回大会
  • [学会発表] ロジスティックモデルの更新に伴う老化研究の新たな視点2019

    • 著者名/発表者名
      高橋優喜, 古谷寛治、井倉正枝、井倉 毅
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会
  • [学会発表] データベース解析から紐解くがん細胞のゲノムDNA損傷ストレス抵抗性獲得戦略2019

    • 著者名/発表者名
      古谷寛治、井倉正枝、井倉毅
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会

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公開日: 2021-01-27  

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