研究課題/領域番号 |
17H01886
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
東 朋美 金沢大学, 医学系, 助教 (20293342)
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研究分担者 |
西條 清史 金沢大学, 医学系, 教授 (00178469) [辞退]
上野 貴雄 金沢大学, 附属病院, 助教 (30623649)
原 丈介 金沢大学, 附属病院, 助教 (30710199)
高原 志津子 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (60446755)
今井 康人 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (60720878)
藤村 政樹 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90190066)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 黄砂 / 喘息 / 慢性咳嗽 / 臨床疫学 / アレルギー |
研究実績の概要 |
2000年以降増加傾向であった黄砂日が、最近は減少している傾向があり、今年度、気象庁発表の春期間の黄砂観測日は4月~5月に4日間と例年より少なく、観測地点も関西地方、中国地方、九州地方を中心とした地点のみであった。したがって金沢気象台では黄砂観測日は発表されなかったが、大気の濁りや車の汚れ、洗濯物のざらつきなど、黄砂の飛来は体感された。そのため、本研究で扱うライダー観測データによる、低濃度から定量が可能な黄砂濃度データをより活用することができる状況となった。一方、今年度は2013年以来6年ぶりに秋の黄砂現象が見られた。10月末~11月初めに連続4日間と長期の黄砂イベントで、春と同じく関西地方とそれより西の地域で観測されており、春との症状比較、花粉や大気汚染物質など他の気象条件の違いを比較することで興味深い結果が得られることが期待された。全期間の日誌データの入力は完了し、確認作業を次年度に継続して行う。気象データの確定値が揃い次第、データマネージャーによるデータベース作成を完了させる。 調査の経年に伴い、患者さんの高齢化などで参加継続が難しい例も出てきており、新規のリクルートも並行して行った。そのアレルギー病態評価として、アレルギー体質の指標となる血中総IgE量(RIST)抗原特異的IgE量(RAST),末梢血中好酸球、呼気NO濃度の測定データを引き続き取得した。同時に、昨年度から引き続き、新たな簡便なアレルギー病態評価のバイオマーカーの探索として、呼気凝縮液(exhaled breath condensate:EBC)中の脂質mediatorの測定について開発を行った。質量分析による成分測定を試み、まだ検出感度の問題があるが、来年度も引き続き開発を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに患者調査を進めることができており、過去の調査分の解析も進めることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、既に入力が完了した日誌データの確認作業と、気象データ確定値を揃え、データベース作成を完了させる。データ解析では、昨年度の気象条件の特性を生かして、特に、春と秋の黄砂による症状比較、花粉や大気汚染物質など他の気象条件の違いの比較による健康影響評価を進める。呼気凝縮液(exhaled breath condensate:EBC)中の脂質mediatorの質量分析による成分測定については、検出感度の問題を解決するべく、試行錯誤を続ける。
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