研究課題/領域番号 |
17H01897
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
惣田 訓 立命館大学, 理工学部, 教授 (30322176)
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研究分担者 |
井坂 和一 東洋大学, 理工学部, 准教授 (40543939)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アナモックス / 従属栄養脱窒 |
研究実績の概要 |
嫌気性アンモニア酸化(Anammox)反応の都市下水処理への適用を目指し、従属栄養脱窒との同時進行(SAD)プロセスによる無加温の効率的な窒素除去方法の開発を目的とする。アナモックス菌は増殖速度が低いため、35℃付近に加温して培養されることが多いが、下水処理への応用のためには、常温で高い窒素除去能力を示すことが望ましい。本研究では、常温で高い活性を示すアナモックス汚泥をPVA(ポリビニルアルコール)ゲルとPEG (ポリエチレングリコール)ゲルによる二種類のゲルで固定化し、アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素を含む模擬廃水を流入させ、20℃における窒素除去リアクター(0.5L)のスタートアップを試みた。 PVAによる包括固定化によって細胞の一部が損傷を受けるが、緩やかながら、PVA固定化アナモックスリアクターの良好なリスタートアップに成功した。66日以降後は、アンモニア態窒素:亜硝酸態窒素:硝酸態窒素の反応比は1:1.09:0.14であり、アナモックス反応の典型値1:1.22:0.23に近づいた。PEG固定化アナモックスリアクターは、2週間ほどは良好に窒素が除去されていたが、その後は流入水の濃度とほぼ同じになり、2ヵ月経過しても窒素除去能力は回復しなかった。 また、硝酸を亜硝酸に還元するための従属栄養脱窒リアクター(1.5L)のスタートアップを行った。表面付着型のPVAゲルを投入し、下水処理場から採取した活性汚泥を定着させ、酢酸塩と硝酸態窒素を含む模擬下水の処理を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PEG固定化アナモックスリアクターの立ち上げがうまくできず、さらなる時間を要する。PVAに比べるとゲルの耐久性は高いものの、PEGの固定化はアナモックス細菌に大きな細胞損傷を与えることが原因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者の井坂氏の協力により、もう一度PEGによる包括固定化を試みる。立ち上げに成功したPVA包括固定化リアクターは、従属栄養脱窒リアクターと合わせ、研究を進める。
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