環境浄化で重要な嫌気性微生物の還元反応に対しエネルギー源として働く還元型固体腐植の生成維持機構の解明を目指し、固体腐植ヒューミン(酸アルカリに不溶の腐植物質)に含まれる酸化還元構造と、電気化学特性、および固体腐植ヒューミンを還元する嫌気性微生物群を調べた。電子供与能の異なる固体腐植ヒューミンにおける各種スペクトルの比較解析から、細胞外電子伝達へのペプチドグリカン構造の関与が示唆された。電気化学インピーダンス法による電気化学特性解析は微生物代謝の傾向とは一致するが、特性値は異なった。固体腐植ヒューミンの還元が見られる系で嫌気性微生物群は、その9割以上がClostridiales目に属した。
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