研究課題/領域番号 |
17H01912
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
兵藤 不二夫 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (70435535)
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研究分担者 |
菱 拓雄 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50423009)
黒川 紘子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70515733)
岸本 圭子 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (80525692)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 同位体 |
研究実績の概要 |
地球規模で生じている生物の種構成の変化が,生態系機能に及ぼす影響を明らかにすることは環境学の重要な課題である.現在,植物群集の種ごとの機能形質をもとに,その生態系機能を評価する研究が広く行われている.一方,多様な表現型を持つ昆虫など動物については,共通の機能形質を測定することが困難なため,そのような研究はほとんどない.本研究では,動物の食性を反映する同位体を用いて,昆虫の生態系機能に関連する形質を評価することを目的としている。2018年度はモニタリング1000の3サイト(小川(茨木県)、田野(宮崎県)、カヤノ平(長野県))において6月と9月の2度にわたりアリ類、トビムシ類、糞虫類や土壌有機物(リターと土壌)の採集を行った。昆虫試料については、個体数の計測や同定、同位体分析用試料の作成を行った。土壌試料については栄養塩の測定等、土壌特性の評価を行った。昨年度の3地点(半田山(岡山県)、椎葉(宮崎県)、小佐渡(新潟県))結果とあわせて、昆虫群集組成の違いや調査地ごとの特性が把握できた。また6月と9月の間に大きな種組成は見られないことがわかった。昆虫試料の一部については連続フロー型同位体比質量分析計を用いて炭素、窒素同位体分析を行った。また、放射性炭素濃度については、封管法により昆虫試料から二酸化炭素を生成、グラファイトを作成し、加速器質量分析計によって放射性炭素分析を行った。現在、これら得られたデータの解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度確立した方法で問題なく調査が行えることが確認でき、調査地点の生物試料の採集と同定が完了した。また、調査地点ごとの群集組成の特徴もあることがわかってきたため、今後解析を進めて行くことで当初の目的を遂行できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
群集組成に関して6月と9月の間に明瞭な違いは見られなかった。そのため今後は初夏(6月から7月)を中心に調査をすることとし、より多くの地点を行うことにする。また得られた試料について同位体分析を継続して行うことで、群集組成及びその群集の食性の特徴を明らかにすることができると考えられる。
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