研究課題/領域番号 |
17H01912
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然共生システム
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
兵藤 不二夫 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (70435535)
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研究分担者 |
菱 拓雄 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50423009)
黒川 紘子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70515733)
岸本 圭子 新潟大学, 佐渡自然共生科学センター, 准教授 (80525692)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 昆虫 / 機能形質 / 同位体 / モニタリングサイト1000 / 土壌 |
研究成果の概要 |
昆虫は最も多様性に富み、陸上で最も大きな現存量をもつ動物である。しかし、生態系でどのような餌資源を利用しているのかといった機能形質については多くの種についてわかっていない。そこで本研究は日本列島の複数の森林において、アリ、糞虫、トビムシの種組成と同位体を用いて食性に関する機能形質を評価し、それらと非生物的・生物的環境条件との関連を調べた。その結果、これら昆虫の種組成は年平均気温などの環境条件に強く影響を受けており、一部の分類群では土壌特性との関連も見られた。同位体分析から、種ごとに特徴的な食性を持つことや、またその食性は気温などの環境条件や植物の機能多様性とも関連があることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
同位体生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、対象とした昆虫は種ごとに異なる食性を持っていることが明らかとなった。このことは生態系において種ごとに異なる機能を持っていることを意味している。また、昆虫の種組成や食性は年平均気温との関連が見られた。以上のことは、現在多くの地域で見られている昆虫の種多様性の減少や温暖化は、昆虫が果たしている生態系機能に影響する可能性があることを示唆している。気象条件などのモニタリングと同様、昆虫の群集組成の多地点や長期モニタリングや、種ごとの同位体組成のデータベースの構築を行うことで、生態系の現状把握と将来予測の向上に貢献できると考えられる。
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