研究課題/領域番号 |
17H01941
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
福重 真一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10432527)
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研究分担者 |
道川 隆士 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (60435683)
小林 英樹 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60446903)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Editable Reality / リノベーション / 福祉住環境 |
研究実績の概要 |
本研究で提案する「実世界ベースデザイン」は,現実の工業製品や建築物を対象として,これらを仮想的に編集することで新しいデザインを生み出すためのアプローチである.ビデオ透過ディスプレイを通して見た現実世界の任意の物体(実物体)を,仮想オブジェクトと同様に自由に編集するための技術であるEditable Reality (ER)を基盤とする. 本年度は,福祉住環境のリノベーションを対象としたERシステムの実証実験を行った.住居内を複数の地点から撮影した全天球画像を用いて仮想空間内に住環境を再現し,顧客(利用者)の要求に基づいて,壁やスロープなどの実物体を対話的に編集可能にするリノベーション支援システムを開発した.このシステムを用いて,車いすを利用して生活する居住者と介護者の負担を軽減するようなリノベーションの設計提案を行った.施工業者と利用者が図面上で設計内容を検討する従来の方法と比較して,リノベーション後の生活を具体的にイメージでき,直感的かつリアリティのある設計提案を行うことが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の結果,実世界ベースデザインのためのモデリングシステムについて,そのプラットフォームを見直す必要が生じた.これまでMixed Realityのプラットフォーム上にシステムを構築していたが,3D-CADシステムと同様に,設計対象となる実物体を画面上で自由に回転させながら形状フィーチャを編集するようなモデリング方法に変更したため,計画に遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
Editable Realityを工業製品のデザインシステムとして実装するためには,より実用的なインターフェースを実現することが望ましい.一方で,実世界ベースデザインは,現実空間の中で目の前の実物体をあたかも直接変形しているかのような感覚を得られることが特徴の一つである.デザインシステムとしての実用性と現実空間との直感的なインタラクションを両立させるようなインターフェースを考え実装することが今後の課題である.
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