研究課題/領域番号 |
17H01943
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
近藤 加代子 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70221984)
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研究分担者 |
加藤 尊秋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (20293079)
包清 博之 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60161171)
井上 朝雄 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70380714)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 低炭素 / ライフスタイル / 住宅様式 / 緑化 / 電気使用量 / 生ごみ資源化 |
研究実績の概要 |
熱帯地方の農村地域の住宅では室内空間とともに、半室外空間、室外空間が機能してきたが、冷房使用を伴う室内居住への移行と改築が進行し、温暖化ガスの排出増大の大きな要因となっている。居場所選択行動の要因分析ツールとして幸福感を用いて、幸福感の増大と低炭素が両立する居住環境デザインを明らかにすることを目的として、タイおよびベトナムにおいて調査を実施するとともに分析を行った。 タイ東北部のコンケーン地方における農村の調査について、高床式、改築型高床式、近代住宅について、住宅評価、滞在場所、エネルギー消費および幸福感について、社会調査を実施した結果について、分析を進めた。それぞれの住宅様式によって、滞在場所に特徴があった。そして室内滞在の場合はエアコンの使用を行う傾向があり、室内ではなく、ピロティ部分や庇の下など屋外空間への滞在を好む場合、エアコンの消費とエネルギー消費が少ない傾向があった。場所の選択については、住宅の様式の他、場所の涼しさ、コミュニケーションなどと関係するとともに、幸福感と関係していることが分かった。半室外、室外空間でコミュニケーションを取りながら滞在する場合幸福感が高かった。これらの結果について国際誌であるSustainabilityに投稿して採用された。 ベトナム中部のダナン市において、ダナン大学の協力の下に、2017年9月に農村住宅および都市住宅の訪問調査を実施した。調査項目は、住宅の構成、エネルギー使用状況、滞在場所および行動、緑化、生ごみ資源化についてである。調査結果について各担当者がまとめ、関連学会に報告・発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タイ・コンケーン調査の結果について国際誌に採用されたこと、およびベトナム・ダナン市での調査がダナン大学の協力の下に順調に実施されたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度の調査結果を踏まえて、タイのスコタイ地方において実地調査の方向性を精査して実施するとともに、ベトナム・ダナン市において実施した実地調査の結果およびタイで実施する予定の実地調査結果を踏まえて、仮説を両者の比較分析が可能になる形で構築した上で、大規模社会調査のデザインを決定して、現地の強直を得て実施する。来年度はタイにおいて大規模社会調査を実施予定である。
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