研究課題/領域番号 |
17H01946
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
矢入 郁子 上智大学, 理工学部, 准教授 (10358880)
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研究分担者 |
荒井 幸代 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (10372575)
小山 慎哉 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (50435385)
塩瀬 隆之 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90332759)
原井 洋明 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 室長 (90358862)
福島 裕介 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 研究員 (50561578)
横田 悠右 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 研究員 (10710593)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 技術受容モデル / 心理尺度 / 機械学習 / 脳波計計測 |
研究実績の概要 |
本研究は期間中に技術受容と人間中心設計研究の融合手法を確立することを目指し,技術受容調査の従来の手法である標準化された調査票によるアンケート調査,社会的弱者を包括するインクルーシブデザインの従来手法に加えて,高プライバシーかつアンビエントなデバイスによって特殊なニーズを持つ社会的弱者と調査者/設計者とをネットワークを介してつないだり,人間行動センシングデータを機械学習によって可視化・分析したり,脳活動を直接計測し評価するという調査・設計方法を,自らのシステム開発を通して実証し,社会的弱者の技術受容メカニズムと人間中心設計指針の解明を目指している.準備期にあたる2017年度は以下を行った. ・ 技術受容モデルの調査項目と心理尺度を組み合わせた調査票を作成し,普及品・普及し始めた新技術・普及前の最先端技術の3つを対象とした調査を実施した.その結果をもとに提案する技術受容メカニズム仮説の骨子を検討した. ・視覚障害者と晴眼者とのコラボレーション,高齢者の日常生活での身体活動を対象に,基礎データの収集と心理尺度との組み合わせによる詳細な分析を実施した.その結果をもとにユニークユーザとユニークなペア(ユーザ同士の組み合わせ)を発見するとともに,それぞれの支援のありかたを提案した. ・高プライバシーの低解像度赤外画像センサを搭載したシステムを開発し,ユーザの室内での寝る・座る・立つの3種類の姿勢をF値0.9以上で分類可能なアルゴリズムを実現した.また,車いすに取り付けたスマートフォンの加速度センサデータを深層機械学習した場合に,ネットワークが教師として付した内容以上に詳細な歩道のバリアの特徴を捉えていることを明らかにし,その再利用法を提案した.ユーザがシステム使用時にあり,脳波計計測データに聴覚・視覚・触覚刺激などのノイズが含まれていても,ユーザの集中度や緊張度,恐怖度を測る手法を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に前述したように,3つのサブテーマについて複数の具体的な成果が得られている.これらの成果は,代表者,分担者ともに投稿論文として再録されたり,査読のある国際会議等でも発表されるなど,外部的にも一定の評価が得られている.初年度の2017年度は研究計画全体から見ても,おおむね順調に進展している,といえる.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は(i)高齢者・障害者を含む社会的弱者の技術受容行動の解明,(ii)社会的弱者が技術を受容可能とするための情報システムおよびサービスの人間中心設計指針の確立, (iii)機械学習や脳波計測などの最新技術も駆使した臨床的調査のための研究基盤構築,の3つのサブテーマから成っている.初年度の2017年度は(iii)に注力し,投稿論文や国際会議の成果もここを中心に得られた.次年度となる本年は,(i)(ii)でも論文などの成果を得られるよう注力する所存である.
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