研究実績の概要 |
調理品・加熱調理食肉の見えに関する実験では、全実験参加者に同一の視刺激を与えることを前提とし、視対象物の見えを忠実に再現する視対象画像を作成し、調理品、および食品の加熱加工段階における色彩変化時の視対象画像の作成において、食品自身の影による測色への影響を排除するために、ドーム型測色装置と2次元色彩計を用いて調理品・加熱調理食肉の輝度および色度を測定し、得られた視対象物の測色値(X, Y, Z)を、 後述する画像提示用モニタの色彩特性を組み込んだR, G, B値に変換することにより、各種視対象画像を作成した。食肉の加熱調理においては、熱電対を用いた加熱調理時の温熱測定実験を実施し、ハンバーグの焼成完了時刻との対応関係について検討した。その結果、LED照明の分光条件により焼成完了の判断時刻が異なることが示された。 内装材を対象とした実験では、内装材の異なる4種の室空間(Simple, Natural, Traditional, Japanese)を想定した1/10縮尺模型を製作し、模型空間上部に各種LED光源を設置して、様々な色光条件下における内装材の見え、および室内空間の印象を評価させた。その結果、内装仕上げ材の種類により、好ましい照明条件が異なることが示された。 照明変化時の色順応過程に関する検討では、先行研究(科研費25282006)を踏まえ、5000K, duv=0を中心としてCCTとduvが異なる照明条件を設定し、照明光の色度図上変化方向の違いにより、順応所要時間が異なることが示された。
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