研究課題/領域番号 |
17H01951
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
水谷 千代美 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (00261058)
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研究分担者 |
梶原 莞爾 信州大学, 繊維学部, リサーチフェロー (10133133)
弘田 量二 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (20448385)
壬生 尚美 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (40312186)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 在宅介護 / 身体起源の悪臭 / 排泄物臭 / 加齢臭 / 体臭 |
研究実績の概要 |
我が国の高齢者人口は、2016年3459万人で総人口に占める割合が27.3%となり、2065年には約4割を占めると予想され、日本は高齢化が急速に進んでいる。近年、75才以上で介護が必要な人数が増えて高齢者施設の需要が急増している。しかし、介護保険法の改定によって特別養護老人ホームへの入所は原則要介護3以上とされ入所を制限されている。また、平成24年に行われた内閣府の調査では、60歳以上の男女を対象として日常生活を送る上で介護が必要となった場合、どこで介護を望むかという質問に対して、男女共に自宅での介護を望むが一番多い結果であった。これらのことから、今後は在宅介護が中心になると予想される。 在宅介護現場、病院および高齢者施設では、においが問題視されている。においが原因で、介護に負担を与え、被介護者と家族の家族関係を悪化させることがある。一方、在宅介護は、閉ざされた環境下で家庭の生活状況に応じてにおいが異なり、様々な生活臭と介護臭とが混合した状態で存在すると考えられる。高齢者施設や病院では、においに対して換気扇、消臭カーテン、消臭壁紙など大規模な設備を用いて対策が講じられている。しかし、家庭での介護では、悪臭除去のための設備に限界があり、市販の消臭剤を用いた簡便な消臭方法で対策をしているのが現状である。 本研究は、実際に在宅介護家庭の臭気を収集して不快臭の種類と原因物質を調べることを目的とした。在宅介護における被介護者の居室に捕集材を一週間放置後、捕集された成分を抽出してGC-MSに供した。その結果、尿臭、排泄物臭、加齢臭のような身体から発生する不快臭で、汗や加齢臭を想起させる脂肪酸類やノネナール、尿などの排泄物を想起させるフェノール類が検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介護分野の不快臭の種類と原因物質が把握できたため、当初計画したとおりに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
においの種類および濃度と人間の生理反応との関係を検討する。
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