研究課題/領域番号 |
17H01952
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
長谷川 智子 大正大学, 心理社会学部, 教授 (40277786)
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研究分担者 |
福田 一彦 江戸川大学, 社会学部, 教授 (20192726)
川端 一光 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (20506159)
赤松 利恵 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50376985)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 幼児 / 母親 / 食 / 睡眠 / 親子関係 / 健康教育プログラム / 食写真法 / グループインタビュー |
研究実績の概要 |
本研究は幼児の食・睡眠・親子関係に関する健康教育プログラムを作成することを目的とし,本年度は2つの調査を実施した.本調査では研究協力者として吉井瑛美(お茶の水女子大学大学院)が参加した. 1つめは,2次調査の実施(2019年3~5月)と分析である.対象者は121人(子どもの生活時刻4群に基づく分類早寝規則群28人,標準規則群29人,標準不規則群31人,夜更かし不規則群33人)であった.手続きは以下の通りであった.休日を最終日とした連続した5日間の子どもの生活時刻と食事写真と食事状況に関する記録(食事ごとに食事のメニュー,料理の作り手,摂取時刻,食事の位置づけ,摂取場所,共食者の有無,自由記述)であり,毎食WEBアンケートフォームにより送信された.分析の結果主に2点が明らかとなった.第1に朝食・夕食の食事時刻はいずれも夜更かし朝寝坊は他3群より遅かったことに加えて,早寝規則群の食事時刻は朝食では標準規則群よりも早く,夕食では標準不規則群よりも早かった.第2に,共食状況については,早寝規則群は子ども一人が少なく家族全員が多いこと,夜更かし不規則群では子ども一人が多く,親のどちらか一人を含む家族の一部と家族全員が少ないことであった. 2つめはグループインタビューの実施(早寝規則群4人,標準規則群3人,夜更かし不規則群5人の母親)であった.インタビュー内容としては,子どもの生活時刻についての配慮事項,食事づくりの工夫や配慮事項,生活での優先事項,健康教育教材として望ましいものなどであった.二次調査結果とインタビューの内容から,日常生活の食事状況の多様性を考慮の必要性,幼児の習い事の多さよって子どもの食事や睡眠が遅滞している可能性も示唆された.これらのことから,健康教育プログラム実施にあたっては,各家庭の生活の特徴を丁寧に把握する重要性が確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二次調査からグループインタビュー実施までは計画通り推移した.グループインタビューの分析の結果,近年の幼児をもつ親が必要等する健康教育教材は,我々が想定するものとは異なっていること,各家庭の生活状況が多様であることが判明したため,調査結果に基づいて,再検討した上での健康教育教材を作成する必要が生じた.
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今後の研究の推進方策 |
どのような健康教材を作成するかについて,調査結果に基づき議論を重ねつつ,食育等の教材を作成している出版社等の動向も参考にしていくこととする.令和2年度は,多様な環境で生活している幼児が無理なく楽しく取り組み,知識を得ることができるもの,母親も科学的根拠に基づいた知識を得られるものを作成する予定である.
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