研究課題/領域番号 |
17H01963
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉本 直俊 金沢大学, 医学系, 准教授 (80272954)
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研究分担者 |
紫藤 治 島根大学, 医学部, 教授 (40175386)
谷内江 昭宏 金沢大学, 医学系, 教授 (40210281)
少作 隆子 金沢大学, 保健学系, 教授 (60179025)
片倉 賢紀 城西大学, 薬学部, 准教授 (40383179)
宮本 まゆみ 島根大学, 医学部, 講師 (80551746)
上田 善文 東京大学, 教養学部, 特任研究員 (60391877)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 食品 |
研究実績の概要 |
嗜好食品にはカフェインなどのメチルキサンチン誘導体を成分にもつ食品が数多くある。メチルキサンチン誘導体はphosphodiesterase活性阻害作用を有して細胞内cAMP濃度を上昇させる。私たちはメチルキサンチン誘導体による細胞内cAMP上昇が精神発達障害、老化やがん化に関与するmTORシグナルを抑制することを報告した。また、チョコレートの成分でありメチルキサンチン誘導体のテオブロミンがマウス認知学習行動を促進すること、脳内の脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させることを見出している。 本研究では、メチルキサンチン誘導体を成分に持つ嗜好食品の抗老化作用や認知機能促進作用における分子基盤と機能的形態学的な機序をヒト介入試験や動物実験等から明らかにする。 平成29年度、ヒト介入試験の実施へ向けた検討ならびに予備試験を実施した。テオブロミンを含まないホワイトチョコレートを対象として、カカオ成分の多いダークチョコレート摂取者との比較とした。両群ともに連日のチョコレート摂取は可能であった。有害事象は認めなかった。現在、データ解析を実施中である。 細胞を対象とした研究では、ラット及びマウスから神経幹細胞を採取し、その増殖ならびに分化などの検討を行った。現在、実験を継続しつつ、データの解析を行っている。 動物を対象とした研究では、ラットでのテオブロミン摂取実験の解析を行っており、ラット脳でもテオブロミンが存在し、そのテオブロミンが脳細胞・脳組織を刺激していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度内にヒト介入研究の実施の開始ができ、かつその結果有害事象を認めないことが判った。このことは次年度以降の研究にとって有益な結果であり、本平成29年度はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究対象を細胞、動物及びヒトとし、メチルキサンチン誘導体を成分にもつ食品の摂取が抗老化作用や認知機能促進作用に与える分子基盤と機能的形態学的な機序を解明していく。
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