研究課題/領域番号 |
17H01964
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
望月 和樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80423838)
|
研究分担者 |
三宅 邦夫 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (60550712)
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (70438191)
針谷 夏代 山梨学院大学, 健康栄養学部, 准教授 (80732784)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | BRD4 / エピゲノム / 中鎖脂肪 / 低栄養モデル / 過栄養モデル |
研究実績の概要 |
本年度は、過栄養培養細胞モデル(脂肪細胞)、低栄養動物モデル(胎生期低栄養暴露出生マウス)、転写伸長低下モデル(Brd4ヘテロ欠損マウス)モデルを作成した。 過栄養培養細胞モデルでは、3T3-L1脂肪細胞にTNF-αを投与すると、脂質合成関連遺伝子(Cidec、Gpd1など)の発現やそれら遺伝子Gene body領域のヒストンアセチル化修飾が低下することが明らかとなった。さらに、中鎖脂肪酸の投与は、上記の遺伝子の発現やgene bodyのヒストンアセチル化修飾を回復することが明らかとなった。 低栄養動物モデルでは、妊娠期にタンパク質制限食を摂取した母獣から生まれた仔は、成長後に長鎖脂肪食群を摂取すると耐糖能異常が観察されるが、中鎖脂肪食を摂取させると耐糖能異常が改善することが明らかとなった。さらに中鎖脂肪による改善には、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性の改善が関与するとともに、肝臓肝に関与する遺伝子(Pparg2など)の発現量の低下が関与する可能性が明らかとなった。 転写伸長低下モデルでは、gene bodyのアセチル化ヒストンに結合するBRD4タンパク質のヘテロ欠損マウスに中鎖脂肪を投与すると、老齢期で観察される耐糖能異常が改善されることが明らかとなった。また、肝臓重量、脂肪重量、胃重量が中鎖脂肪の投与にとって増大し低栄養症状が改善することが明らかとなった。また、結腸から分泌されるGLP-1の血中濃度が中鎖脂肪投与によって増大したことから、Brd4ヘテロ欠損老齢マウスで観察された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に低栄養モデル、過栄養モデルを作製でき、中鎖脂肪の評価もできている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は作製した低栄養・過栄養モデルにおいて観察される代謝遺伝子発現、代謝遺伝子上におけるヒストンアセチル化修飾やBRD4の結合、アセチルCoAなどの代謝産物の攪乱が、中鎖脂肪の投与によって改善するかを調べることを中心にして研究を進めていく。
|