研究課題/領域番号 |
17H01969
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
|
研究分担者 |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50269495)
新井 英一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (60325256)
望月 和樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80423838)
本間 一江 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80724765)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 糖尿病 / 食後高血糖 / エピゲノム / バイオマーカー / 慢性炎症 |
研究実績の概要 |
1.肝臓における脂肪蓄積・インスリン抵抗性関連遺伝子のエピゲノム調節機構の解析:C57BL/6Jマウスにフルクトース水溶液を経口投与して6時間後に、DNAマイクロアレイ法によって肝臓における遺伝子の発現変動を解析したところ、脂肪蓄積とインスリン抵抗性に関与するCyp8b1、Dak、Plin5の遺伝子発現がフルクトース特異的に増大した。クロマチン免疫沈降法により、これらの遺伝子の転写領域において、ヒストンH3とH4のアセチル化が増大するとともに、エピゲノム因子BRD4の結合量が増大することが明らかになった。BRD4特異的阻害剤である(+)-JQ1をフルクトースとともに投与したマウスでは、これらのエピゲノムの変化が抑制された。それゆえ、肝臓における糖質誘導性の脂肪蓄積・インスリン抵抗性関連遺伝子の誘導には、エピゲノム因子BRD4が関与することが示唆された。 2.高グルコースによる末梢血白血球におけるDNAメチル化・脱メチル化関連遺伝子の発現変動:ストレプトゾトシンを用いて糖尿病を発症させたラットでは、血糖値の上昇とともに末梢血白血球におけるTNF-α、IL-1β、S100タンパク質のような炎症関連遺伝子の発現増大と平行して、DNA脱メチル化酵素およびDNAメチル化酵素のmRNA量が増大することが明らかになった。 3.末梢血白血球における炎症関連遺伝子の発現に及ぼす低グリセミック・インデックス(GI)食の影響:健康な被験者20名を対象として、朝食として低GI食と高GI食を1週間ずつクロスオーバーによって摂取させたところ、食事前および食事2時間後の末梢血白血球における炎症関連遺伝子やインテグリン遺伝子の発現は、高GI食摂取期間の方が増大していることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた動物実験ならびに臨床疫学研究が、平行してほぼ順調に進展した。
|
今後の研究の推進方策 |
所期の計画通りに研究を推進する。
|