研究課題
本研究は, STEM 教育における抽象的概念を直感的に理解するための方略として,身体化認知の理論に着目した。また,抽象的概念に関わる認知として「空間的視点取得」に焦点を当てた。そこで,一人一台環境のタブレット端末の活用を想定したAR(Augmented Reality)教材とその学習プログラムを開発した。検証を行った単元は,小学校「太陽の動きとかげ」,中学校「天気の変化(等圧線)」,中学校「日周運動」,中学校「月の満ち欠け」である。各教材は身体化認知により「空間的視点取得」を支援する。検証の結果,学習効果が認められた。一方で,身体化認知の限界も明らかになった。そこで,「月の満ち欠け」教材は,仮想的身体移動の概念を援用し,アバタを使った空間的視点取得の支援も検討し,その効果を確認した。これらの研究から,身体化認知や仮想的身体移動による空間的視点取得の特徴から,学習環境のデザイン原則の一端を導出した。例えば,課題の認知負荷とのとの関係が示唆されたため,課題に応じた具体的な支援の在り方を提案した。また,テクノロジに頼らない身体化認知の在り方についても提案した。開発教材の一部はアプリストアに無料公開され,多くの学校が活用している。今後は,身体化認知や仮想的身体移動の精度を高める必要がある。そのために,脳科学の研究を参考とした教材や学習デザインを検討している。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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