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2018 年度 実績報告書

社会実装能力涵養のためのコンテスト教育有効性の分析解明とその効果向上研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H01987
研究機関東京工業高等専門学校

研究代表者

新保 幸一  東京工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (10446247)

研究分担者 伊澤 悟  小山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00232223)
伊藤 通子  東京都市大学, その他部局等, 教授 (00537037)
藤原 康宣  一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40290689)
久池井 茂  北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (50300653)
芦田 和毅  長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (70377612)
青木 悠祐  沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70584259)
林 丈晴  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70637264)
大塚 友彦  東京工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (80262278)
多羅尾 進  東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80300515)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード社会実装教育 / 科学技術イノベーション教育 / エンジニアリングデザイン / チームワーク力 / 社会実装コンテスト / 科学技術イノベーションマトリックス
研究実績の概要

社会実装コンテストを定量的に分析するため、その状態を可視化するツールとして提案された科学技術イノベーション・マトリクス(STIM)の枠組みの中で、実施されるべき8プロセスと、その際に経る活動の4段階とを参照し、俯瞰的な観点で、社会実装コンテストのアクティビティ全体を把握する試みを継続した。STIMは、活動や教育の評価指標となるだけでなく、社会実装活動の到達目標を示す役割も果たしている。社会実装活動の最終成果報告会の場となる社会実装教育フォーラムも持続発展して開催し、学識経験者、企業経営者及び技術部門責任者、関係行政機関、海外連携校教授等の専門家で構成する審査委員会が評価した。19高専71チーム126人が参加する規模となり、対象分野も、当初の医療・福祉支援や教育支援から、社会インフラ、食品や農業支援、地域振興、伝統文化振興など幅広い分野へ拡大しつつある。審査総評によると「年々発表内容の技術的水準が向上し、課題解決への対処方法が洗練されるとともに、企業との連携がより一層深くなってきた」等のコメントがあった。
広義の科学技術イノベーション教育として立ち上げた「社会実装教育」については、それを具現化する科目を設計し、東京工業高等専門学校の全学科4、5学年の必修科目として、新たなカリキュラムに取り入れた(2019年度スタート)。 社会実装教育では、1)課題把握、2)提供する価値の考案、3)社会への導入、4)評価(フィードバック)という四つの特徴的なステップが核となる。
社会実装教育を経験した学生には、経験前と経験後(7カ月後)のコンピテンシーの推移を評価する試みとして、河合塾の基礎力測定テスト「PROG」テストを受講してもらい、その結果、「対人基礎力」は約0.7ポイント、「対自己基礎力」は、約0.5ポイント、「対課題基礎力」は、約0.1ポイント向上していることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

社会実装コンテスト(社会実装教育フォーラムとして継続開催している)を持続発展的に開催できている。社会実装教育の有効性を解明するための評価指標・ツールについても開発が進み、効果的な手法・注目すべき成果が生まれつつある。これをフィードバックしていく場として、さらに、社会実装教育を科目として具現化する取り組みも着実に進められている。学生のコンピテンシーの伸びを計る取り組みとして、一般的な第三者機関による汎用能力テストに加え、独自評価手法による測定・分析も進めている。並行して、教材「社会実装イントロ講座」の改良にも継続着手している。こうした意味で、本研究は概ね計画通りに順調な進捗をみせている。

今後の研究の推進方策

社会実装コンテストを持続発展させることによって、学生のエンジニアリング・デザイン能力やコンピテンシーをさらに向上させるための教育手法の体系化を進めていく予定である。また、規模を拡大した社会実装教育科目、並びに社会実装コンテスト教育の効果向上のための教材の在り方についても考察・検討を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 学生調査法による汎用的能力評価の有効 性に関する考察2019

    • 著者名/発表者名
      安富義泰,大塚友彦,土居信数
    • 雑誌名

      工学教育 ( Journal of JSEE )

      巻: 67 ページ: 66-71

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 卒業研究による社会人基礎力向上効果に関する一考 察2018

    • 著者名/発表者名
      木村知彦,大塚友彦
    • 雑誌名

      工学教育 ( Journal of JSEE )

      巻: 66 ページ: 77-81

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会人基礎力「前に踏み出す力」の主観的な評価手 法に関する一考察2018

    • 著者名/発表者名
      井口雄紀,大塚友彦
    • 雑誌名

      工学教育 ( Journal of JSEE )

      巻: 66 ページ: 54-57

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 高専低学年への社会実装教育の実施例 -健康管理を目的とした身体部位の周囲形状測定システムの開発を題材にして-2018

    • 著者名/発表者名
      芦田 和毅
    • 学会等名
      平成30年度工学・工業教育研究講演会
  • [学会発表] 異分野ユーザーとの連携による社会実装2018

    • 著者名/発表者名
      伊澤 悟
    • 学会等名
      平成30年度工学・工業教育研究講演会
  • [学会発表] 「社会実装フォーラム」の取組み2018

    • 著者名/発表者名
      一戸隆久,大塚友彦,多羅尾進,山下晃弘
    • 学会等名
      平成30年度工学・工業教育研究講演会
  • [学会発表] 科学技術イノベーション教材の定量的カバレッジ分析2018

    • 著者名/発表者名
      林 丈晴,佐藤 知正
    • 学会等名
      平成30年度工学・工業教育研究講演会
  • [学会発表] 学生のコンピテンシーとGRIT(やり抜く力)の関連分析 -社会実装教育経験学生に行ったアンケートからみえてきたこと-2018

    • 著者名/発表者名
      大塚友彦,鈴木慎也,木村知彦,井口雄紀
    • 学会等名
      平成30年度工学・工業教育研究講演会

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公開日: 2019-12-27   更新日: 2021-01-27  

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