研究課題/領域番号 |
17H01990
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
中村 勝一 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60364395)
|
研究分担者 |
宮寺 庸造 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10190802)
中山 祐貴 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 講師(任期付) (80761569)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 教授学習方略 / 持続的醸成 / 経験事例 / 情報視覚化 / Learning Analytics |
研究実績の概要 |
課題解決型学習では,経験事例を活かした発展的な学びが重要だが,十分な支援は実現されていない.一方,実際場面では,教授者・学習者間の「あのときのように」という経験事例の示唆・想起がしばしば功を奏するが,相当に限定的である.本研究では,経験事例として何を提示・想起し,どう参考とするか(教授・学習方略)の検討が,課題や作業ごとに一話完結的に閉じてしまうことに着目し,①経験事例を体現する情報群を低負担で収集し,複数の視点レベルで理解可能な形で組織化する手法,②示唆・想起に値する経験事例候補を「何が似ている/何が違うか」と共に抽出する手法を開発する.その上で,③経験事例候補をお仕着せなく提供し,どのように示唆・教授/想起・学習を行ったか(教授・学習方略)自体を更なる経験事例として蓄積する支援システムを開発することで,教授・学習方略の持続発展的醸成のための新たな支援の可能性を探る.
2018年度は,主に,有望な経験事例の抽出手法の開発に取り組んだ.まず,前年度に検討した経験事例シートを踏まえて,経験事例の示唆・想起の実際状況を分析した.また,経験事例間の類似性推定アルゴリズムの理論設計に取り組んだ.実際の履歴データから経験事例シート(グラフ)を生成し,その類似性の推定方法を検討した.次に,有望経験事例の抽出モジュールの開発に取り組んだ.推定アルゴリズムに基づいて,経験事例シート間の類似性を推定し,類似点・相違点の抽出を試みた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度に予定していた「有望な経験事例の抽出手法の開発」を実施することができ,概ね予定通りのスケジュールで進んでいると考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度は,主に,教授学習方略の醸成支援システムの開発に取り組む.まず,前年度までの観察・検証で獲得した知見を踏まえ,支援システムに具備するサービス,および,フレームワークを設計する.この設計に基づいて,経験事例の体現データの収集から,有望な経験事例と類似チャネル推定,経験事例シートの視覚的提示,さらに,経験事例の活用履歴自体の蓄積までをトータルに扱う支援システムのプロトタイプを開発する.その上で,開発した支援システムを大学の研究室における活動に適用し,実践試用する(2020年度に継続).
|