研究課題/領域番号 |
17H01996
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
曽我 真人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60252839)
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研究分担者 |
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
三浦 浩一 和歌山大学, データ・インテリジェンス教育研究部門, 講師 (70362861)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スキル / 学習支援 / AR / VR |
研究実績の概要 |
絵画描画学習支援環境については,当初の予定はカラーの水彩画の学習支援環境を構築する予定であったが,水彩画教室に通って取材を進めた結果,カラーの水彩画の場合,正解画を一意に決定することが難しいことが判明した.つまり,スケッチなどのモノクロによる輪郭線描画なら,正解画を一意に決定しやすいが,カラー水彩画の場合は,色の配色や陰影付けについて,学習者の個性が出やすく,かつ,それを誤りと言い切ることはできない.このため,正解画が決定できない場合,正解画との差分に基づくアドバイス提示ができないので,研究対象としては,難しい.そこで,カラー水彩画をあきらめ,模様の付いている花瓶などをモチーフとして,絵付けのスキルを学習する学習支援環境の構築を目指すことになった. マーカレスARを用いたナビゲーションシステムの研究では,ARkit2を用いて,図書館で入り口から目的の本のある書架までの経路をマーカーレスARで設定した矢印をたどることにより,学習者が目的の本を探すことができるシステムを構築した. 圧力シートセンサを用いた重心位置表示システムの研究では,圧力シートセンサ上に人が立つと,足裏の圧力をリアルタイムで計測し,そこから,重心位置をリアルタイムで計算するシステムを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の研究の方向性の修正はあったが,実際に動いて使えるものが出来上がってきているので,おおむね順調に進展しているといえる. (1)3次元絵付けスキル学習支援システム:仮想空間内の花瓶にVRで絵付けを行うシステムを構築した.そして,それをARで現実世界の花瓶に重畳表示させることが可能になった. (2)マーカーレスARを用いたナビゲーションスキルの学習支援システム:図書館をテストベッドとして,ARkit2を用いて,目的の図書を見つけるまでの道順を,マーカーレスのARによる矢印を設定することにより,ナビゲーションを行えるシステムを構築した.どのような場所に矢印を設定すれば,わかりやすい道案内になるかに関するスキルを練習することができる. (3)圧力シートセンサを用いた重心位置表示システム:圧力シートセンサ上に人が立つと,足裏の圧力をリアルタイムで計測し,そこから,重心位置をリアルタイムで計算するシステムを構築した.今後はこれを応用して,スキーの体重移動シミュレーションシステムへと発展させる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方策は以下のとおりである. (1)3次元絵付けスキル学習支援システム 力覚提示装置をインタフェースとして利用し,仮想空間の花瓶への絵付けを可能とするシステムを構築する. (2)圧力シートセンサを用いた重心位置表示システム 計算で求まる重心位置から,VR空間でスキーの姿勢を表示することにより,スキーの体重移動のスキルを学習する支援システムへと発展させる.
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