研究実績の概要 |
①人形劇やシナリオに関するコンテンツ及びワークショップの海外調査及び分析:(楠,生田目,稲垣)当該領域における学術研究の精査,演劇研究を行っている国内外の演劇研究機関を訪問して調査を行った。 ②デジタル人形劇の2つのインタフェースの開発:(楠,溝口) 分担者の溝口と連携し,デジタル人形劇開発指針の策定と開発を開始した。②-1台詞追随表示のインタフェースの開発:人形の細かい動きや激しい動きにも対応し,安定して計測が可能であるような位置計測手段を開発した。具体的には人形の動きにあわせてスクリーン上の台詞が追随表示される技術を開発した。プロトタイプの評価によるフィードバックとバージョンアップを行った。②-2複数人で参加できる身体動作を使ったインタフェースの開発:KINECT 等の位置認識センサ群による計測技術を応用したテクノロジにより没入できる身体性を備えたシステムの開発を行った。劇中に複数の鑑賞者が参加できるよう鑑賞者の動きにあわせてセンシングの技術を検討した。いずれも,人形の動きを検出するための装置,台詞などを投影するスクリーン,ならびに,コンテンツ管理と表示制御を行うプログラムの開発を行った。 ③人形劇のシナリオ及び人形のデザイン:(楠,生田目)デザイン研究者や教育研究者と連携し,人形劇のためのコンテンツデザイン指針の策定及び開発を行った。インタフェースの開発をあわせてユーザの身体動作に反応するアニメーションや,内容の変化にあわせて台詞が変化するコンテンツを表示するソフトウェアを開発した。 ④H29年度内に実施できなかった評価実験を連携している聾学校でのプロトタイプの実験として行った。実験では,台詞の追随表示,人形の細かい動きや激しい動きに対応し,安定して計測が可能かどうか,ハードウェア・ソフトウェアの精度及び,人形劇の人形とシナリオデザインの完成度を測定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デジタル人形劇の2つのインタフェースの開発については,人形の細かい動きや激しい動きにも対応し,安定して計測が可能であるような位置計測手段を開発できている。また,複数人で参加できる身体動作を使ったインタフェースの開発も開始し,KINECT 等の位置認識センサ群による計測技術を応用したテクノロジにより没入できるインタフェースも概ね完成している。 人形劇のシナリオ及び人形のデザインについては,シナリオからすべて,新規に開発する予定である。 デザイン研究者や教育研究者と連携し,人形劇のためのコンテンツのデザインと開発を行った。インタフェースの開発をあわせてユーザの身体動作に反応するアニメーションや,内容の変化にあわせて台詞が変化するコンテンツとなっている。また人形の背景,人形ともに制作した。H29年度は,プロトタイプを実際に上演して,子供達に評価して貰う予定であったが,残念ながら先方の都合で上演の都合が延期になり,2018年度に実証実験を行うことに予定を変更し, 聾学校での実証実験を行った。この実験では,台詞の追随表示,人形の細かい動きや激しい動きに対応し,安定して計測が可能かどうか,ハードウェア・ソフトウェアの精度及び,人形劇の人形とシナリオデザインの完成度を測定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度の研究は,以下のようにシステムの開発と実験分析とインタフェースの改良を行う予定である。 ①デジタル人形劇の改良及びコンテンツのデザインの改良(楠,溝口):プロトタイプの実験分析結果をもとに改良を始める。 ②教育研究者,デザイン学研究者,人形劇団と連携し,当該領域における学術研究の精査,及び先進的な演劇研究を行っている国内外の演劇研究機関を訪問してユニバーサルデザインの調査を行う。
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