研究課題/領域番号 |
17H02002
|
研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
|
研究分担者 |
溝口 博 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00262113)
生田目 美紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (20320624)
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 人形劇 / 情報保障 / ユニバーサルデザイン / デジタルコンテンツ |
研究実績の概要 |
2018年度の実績は、主に2つである。 ①2018年度前期も教育研究者、デザイン学研究者、人形劇劇団と連携し、当該領域における学術研究の精査、及び先進的な演劇研究を行っている国内外の演劇研究機関を訪問してユニバーサルデザインの調査を行った。特に今年度は台詞の表示手法について視線計測装置を用いた調査を行い、人形劇への展開を検討した。 ②前年度の実験結果の分析評価(稲垣,楠,生田目)を行った。 ②-1ハードウエアの分析評価:台詞の追随表示、人形の細かい動きや激しい動きに対応し、安定して計測が可能かどうか、ハードウェア・ソフトウェアの精度について検討した。人形の運動に併せて、画面上の台詞が的確に表示されるかどうかと表示時間の関連性を、ビデオやアンケートから検討した。文献と、実際のこどもの読解する時間は異なり、改良する必要があることがわかった。 ②-2人形劇コンテンツ、人形の動きとインタフェースデザインの分析検討:今回の実験では、人形劇の題目を新しく制作した。人形2体での上演は変更しないが、3人で参加する時間が長い内容となっている。アンケートやインタビュー、撮影した映像から、小学生が協同して楽しめる内容であったか、操作は簡単であったか、コンテンツに没入できているかどうかのユーザ評価も検証した。その結果、インタフェースのデザインは、高学年向きであったものの、1,2年生にも好評であった。人形の動作についてもわかりやすかったという評価が得られた。また協同でインタラクションをするコンテンツのデザインに対して、非常に有効な結果が得られた。実験の分析結果を一部まとめて国際会議に投稿を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実証実験が行われたので、実験結果の分析評価を行った。 ①ハードウェアの分析評価:台詞の追随表示、人形の細かい動きや激しい動きに対応し、安定して計測が可能かどうか、ハードウェア・ソフトウェアの精度について検討した。人形の運動に併せて、画面上の台詞が的確に表示されるかどうかと表示時間の関連性を、ビデオやアンケートから検討した文献と、実際のこどもの読解する時間は異なり、改良する必要があることがわかった。昨年度実施予定であった聾学校での実験を行い、その実験の分析評価を行った。人形2体での上演は変更しないが、3人で参加する時間が長い内容となっており、新しい演目で上演することができた。アンケートやインタビュー、撮影した映像から、小学生が協同して楽しめる内容であったか、操作は簡単であったか、コンテンツに没入できているかどうかのユーザ評価も検証した。その結果、インタフェースのデザインは、高学年向きであったものの、1,2年生にも好評であった。人形の動作についてもわかりやすかったという評価が得られた。また協同でインタラクションをするコンテンツのデザインに対して、非常に有効な結果が得られた。実験の分析結果を一部まとめて国際会議に投稿を行った。 また全国の聾学校にもHPで呼びかけを行い、この活動を広めるよう告知した。 プロトタイプの実験分析結果をもとにインタフェースや人形劇コンテンツの改良を行い、人形劇システムの完成をめざすことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今回上演した聾学校の他にもニーズがあれば、他の聾学校の子どもたちを対象に、開発したデジタル人形劇による人形劇の演目を公演する。情操教育的・デザイン的な分析を通して、社会的な波及効果も含めた評価を行う。 また最終年度であるため、実証実験の分析最終を国内外の学会で発表し、特別支援教育における学習支援のアプローチを提言する。また成果を論文化して国内外で公表する。引き続きHPで本活動を広めるべく告知を続ける。ユニバーサルデザインの研究を行っている研究者との交流を行い、情報交換を行う。
|