| 研究課題/領域番号 |
17H02023
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| 研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
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研究代表者 |
奥山 誠義 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部資料課, 指導研究員 (90421916)
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| 研究分担者 |
水野 敏典 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部資料課, 係長 (20301004)
河崎 衣美 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部資料課, 主任研究員 (60732419)
北井 利幸 奈良県立橿原考古学研究所, 附属博物館学芸課, 主任学芸員 (70470284)
岡林 孝作 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部, 部長 (80250380)
加藤 和歳 九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (80543686)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 古墳時代 / 染織文化財 / 製作技法 / 材料科学的研究 / ヤマト王権 / 三次元形状計測 / 光音響赤外分光分析 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，全容が未解明である古墳時代400年間の染織品（繊維製品）における素材の変遷解明と織り方等の構造研究，遺跡の性格との関連性について総合的に検討することである。本研究は，古墳時代繊維製品の実態解明への糸口を探るとともに，考古学及び材料科学，染織技術研究等による複合的な研究手法による新たな繊維製品に対する研究方法の確立を目指すための先駆けとなる研究である。
本研究では，素材研究と観察や高精細三次元形状計測等による構造研究ならびに考古学的研究を主体とし、全国的な調査・研究に先駆け，古墳時代の中心地の一つであるヤマト（現在の奈良）の出土繊維製品を対象として研究する。
今年度も、奈良県立橿原考古学研究所所蔵資料における繊維製品を伴う出土資料の確認作業と観察を進め、現況を把握した。200点以上に及ぶ資料を抽出し、肉眼および実体顕微鏡等を用いた観察を実施し記録を作成した。また、PA FT-IR（光音響赤外分光分析）を平行して実施し材料特定を試みた。考古学的には、昨年度に引き続き、研究分担者・協力者と連携して、古墳の所在地域や規格・出土織物の属性評価をおこない，古墳時代全体を俯瞰した視点で築造時期や地域・繊維製品の内容の変遷を考古学的に検討した。出土資料の海外との交流を検討するため、織物文化財及び関連資料の調査を行うため中国で調査を行った。陝西省楡林市に所在するShimao遺跡は約4,000年前（正式報告書による）の遺跡とされ、中国最古とされる織物製品が出土している。出土地点の現認と出土状況の聞き取りを実施した。西北大学文化遺産学院・中国社会科学院の教授・研究員らと情報交換。西北大学文化遺産学院において織物文化財を中心とした情報交換会を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、考古学的検討と実資料の調査・研究をさらに進めた。研究グループ全体の検討会を兼ねた実資料の観察会を1度開催し、研究上の課題の検討などを行った。研究活動を通じて得られた成果の公開は学会発表や論文発表の場を利用して行った。昨年度に引き続き、中国における出土繊維製品の調査を行った。また、韓国金海国立博物館における資料観察も行い、関連資料の調査を充実させた。昨年度に引き続き、光音響赤外分光分析の分析例を増やし、研究を深めた。また、小片資料の精細な三次元形状計測を実施し、染織文化財のミクロな構造調査を行っている。以上のように、研究はおおよそ計画通りに進行している。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和2年度は光音響赤外分光分析法を用いた非破壊材料調査法の研究を進めるとともに、構造調査の一環としてX線CT等の非破壊構造診断や高精細三次元形状計測を行う計画である。また、繊維製品を伴う出土資料の観察を引き続きおこない現況を把握する。考古学的には、研究分担者らと連携して、実資料の調査・研究を進める。染織文化財の観察から得られる織物の特徴を抽出し、古墳の所在地域や規格・出土織物の属性評価をおこない，古墳時代全体を俯瞰した視点で築造時期や地域・繊維製品の内容の変遷を考古学的に検討する。
令和2年度は本研究最終年度に当たるため、研究成果のとりまとめを行い成果の公開をする予定である。
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