研究課題/領域番号 |
17H02028
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研究機関 | 北九州市立自然史・歴史博物館 |
研究代表者 |
上田 恭一郎 北九州市立自然史・歴史博物館, 館長 (40359469)
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研究分担者 |
真鍋 徹 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (90359472)
下村 通誉 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (30359476)
御前 明洋 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (70508960)
大橋 智之 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (20584519)
蓑島 悠介 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (80714435)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 博物館 / 自然史 / 展示 / 実物資料 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目標は、博物館における実証実験をベースとして、「実物」を基軸とした効果的な展示手法の開発・検証を行うことにより、汎用性の高い自然史の基礎的展示理論を構築することにある。実物資料は必要に応じて収集・整備・調査研究という過程を踏み、資料の学術的背景を明らかにして実証実験へ活用する。実証実験は北九州市立自然史・歴史博物館で行う。 研究初年度となる29年度は、予備調査的側面を多く含んだ研究実施となった。 1.資料収集:実物資料の展示のための資料収集・調査研究は実証実験の基盤となるものであるが、このような資料はすぐには展示へは活用できない。そのため、次年度以降の展示への活用を目指し、実証実験に用いる各分野の資料を収集したほか、必要に応じて資料の調査研究を行った。学術成果は学術誌で発表する。 2.実証実験:夏の特別展(51日間、観覧者数およそ12万人)を中心に、博物館内でアンケート調査や聞き取り調査などを行ったほか、実物標本に対する来館者の反応を調査した。アンケートは現在集計・解析中であるが、知覚刺激効果を検証するアンケート調査については集計・解析が終了したため、その結果を全国科学博物館協議会の研究発表大会でポスター発表した。また、研究協力者である坂倉真衣氏(宮崎国際大学)と共同で、博物館での体験、特に特別展の観覧が、学校や日常生活の場でどのように意味付けられ記憶として残っていくのかを把握するための継続的な来館者調査を開始した。 3.実証実験における本年度の成果の一例として、大量の実物資料を展示する手法では、来館者が(1)めずらしい生物にふれる楽しさや、生物の美しさへの感動を持つこと、(2)生物の種類数や形態、生態の多様性から生物学的な特徴を自らが知覚すること、(3)展示に関する感動や知覚の共有化・深化を来館者間(特に家族間)にもたらすことができたと判断された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究課題としてあげていた調査・分析をおおむね行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は今年度の成果を基に、既存の展示手法を再構築した実物展示による自然史展示手法の実証実験を進めていく。
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