研究課題
1. ミクロネシア連邦ポンペイ島に2017年9月に新設した表層侵食域固定プロット(PK)において、2023年3月に毎木調査を行うと共に、侵食/堆積観測杭の計測を行った。その結果、立木密度は715本/haから692本/haへ減少したのに対し、地上部バイオマスは625t/haから648t/haへ増加し、地盤高は、海側のオヒルギ群落で0.3mm/年で低下したのに対し、内陸側のホウガンヒルギの板根間では4.9mm/年で上昇したことが明らかになった。西表島では、オヒルギ林における表層侵食の可能性が指摘される由布島対岸マングローブ林に2018年2月に設置した固定プロット(IY)で、2021年12月に2度目の毎木調査を行った。その結果、立木密度は6143本/haから5971本/haに減少したのに対し、地上部バイオマスは149t/haから159t/haに増加したことが明らかになった。2.ポンペイ島と西表島において短期的なセジメント輸送の測定を試み、(1)降雨による土砂流出などを含む流域圏における陸水プロセス、(2)林内での降雨・潮汐によるシートフロープロセス、(3)同じく林内での潮汐によるペラジックプロセス、(4)前面海域における潮汐・風・波による沿岸プロセスに分け、それぞれのプロセスについて可能な限り定量的に推定するモデルを構築した。3.ポンペイ島のPK内陸部および2本の河川沿いで、表層侵食の指標となるオヒルギの根元にみられる隙間高を多点で計測し、表層侵食が及ぶ空間的範囲を定量化した。4.ポンペイ島の高解像度衛星画像を樹種判別が可能なドローン画像と対比することで、ArcGISを用いて樹種別分布を広域で自動抽出する手法を開発した。それに基づいて群落区分図を作成し、表層侵食実態マップを作成するための基礎情報を得た。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Mangrove Science
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