本研究では,風況に関する指標であるU-Kスケール1(風車ハブ高さ位置で評価した標準偏差を流入境界面の最大標高位置における風速で正規化した値)を定義し,地形性乱流の存在を定量的に明らかにした.風況に関する指標であるU-Kスケール1の閾値を「0.2」とし,本指標が流入風速の高度方向の分布形状や,水平方向の格子解像度の影響,計算方位の影響に依存しないことを示した.
4m/s以上の風車運転時においてナセル風速(および,その標準偏差)と疲労等価荷重(DEL)の両者の間に直線的な傾向が見て取れ,回帰直線(Regression Line)で近似可能であることを示した.実測値により算出した2種類の回帰直線(Regression Line),すなわち,「Low-Turbulence Flow Case」としての北風の結果,「High-Turbulence Flow Case」としての東風の結果と,BLADEDにより算出した設計値に基づき,荷重に関する指標として疲労損傷評価指標(Fatigue Damage Evaluation Index)をU-Kスケール2を定義した.ここで,U-Kスケール2は設計DEL(BLADED)の積算値に対する実測DELの積算値の比を意味する.
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