研究課題
本研究課題では,火山噴出物の化学組成や形状,色調などの物質科学的定量データを大量に取得し,その数理統計学的解析により,これまで人為的な判断に基づいて行われてきた様々な分類,特徴抽出,異常判定などをより客観的な手続きに基づいて行うことにより,物質科学的手法を誰もが検証可能な観測手法として位置づけることを目指した.特に,多変量解析を用いた方法では,火山岩の成因に依拠する分類手順や噴出物の形態や分光学的データに基づいて噴火様式との対応関係を明らかにすることができた.一方,これらの多量のデータを導出することは,従来の岩石学的手法では時間と労力がかかり,必ずしも統計学的に十分なデータによる解析を進めることができないことも多かった.そこで,本課題では,既存の分析手法・機器を用いつつ,迅速に,かつ時系列データとして連続的に物質科学的データを取得するための手法の確立を行った.特に,多くの活動的火山で取得可能な火山灰試料については,火道周辺環境やマグマ物性を簡便かつ迅速に知り,地球物理学的観測データと対比が可能な手法として,分光測色法を導入し,多変量時系列解析により,桜島火山におけるマグマ供給系の変化と表面現象の関係に制約条件を与えることに成功した.また,従来から広く行われている反射電子画像を用いて,自動的に火山灰試料の構成粒子種を判定し,構成比を導出する手法を開発することにより,火道内のマグマ物性を知るうえで重要なマグマの結晶度とその分布を迅速に知るための手法を確立した.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 2件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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