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2018 年度 実績報告書

低頻度メガリスク型沿岸域災害における居住環境復興メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H02070
研究機関神戸大学

研究代表者

近藤 民代  神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50416400)

研究分担者 馬場 美智子  兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 准教授 (40360383)
井内 加奈子  東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (60709187)
MALY Elizabeth  東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00636467)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード居住環境復興とレジリエンス / 住宅復興 / 再定住 / 移転 / 低頻度メガリスク型沿岸域災害
研究実績の概要

以下5つが平成30年以降の研究計画とその結果である。
1.居住環境の変容を決定づけた因子構造の解明:東日本大震災を事例として自主住宅移転再建者の世帯属性、動機と満足度に関連する要因、災害危険区域内外や意思決定時期で分類されるグループ毎の特性を明らかにした。市町村、災害危険区域指定有無、意思決定時期によって、その動機、防集事業申し込み有無、復興計画の内容による影響度が異なる。災害危険区域指定有無によって動機に影響を与えた関連要因は異なり、区域内は復興計画のスピードや内容が動機に作用しているのに対して、区域外のほうがより多くの世帯属性に強い影響を受けている。
2.移転再定住による移動軌跡の可視化とそれによる居住環境の変容分析:東日本大震災の沿岸市町村の居住環境変容を災害前後の建物ポリゴンデータよ国勢調査メッシュデータを用いて可視化した。ただ、移動軌跡の可視化は出来ていない。
3.居住環境の復興プロセスを形成するレジリエンス(4R)とその作用分析:各主体の適応力・復元力の発揮が被災地の住みやすさ(L:Livability)、持続性(S:Sustainability)にネガティブなインパクトを与えるというトレードオフを明らかにした。
4. 低頻度メガリスク型沿岸域災害による居住環境再形成のメカニズムの解明:上記2.の再定住分析がまだのため、まだ解明できていない。
5.居住環境の変容を21 世紀都市モデルの3 指標から評価:低頻度メガリスク型沿岸域災害として東日本大震災とハリケーンカトリーナ災害を事例として、住み続けることができる都市(Livable City)、持続可能な都市(Sustainable City)、レジリエントシティ(Resilient city)を特徴づける指標都市モデルの評価を行った。いずれの被災地も三指標において大きな課題があることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の通り、おおむね順調に進展している。下記の「今後の研究の推進方策」欄にて、現状の課題と今後の方針を記述している。

今後の研究の推進方策

以下で未実施の「平成30年以降の研究計画」に対する推進方策である。
2. 移転再定住による移動軌跡の可視化:研究計画では被災者に対する質問紙調査を行うことを予定していた。しかし、これは過去に行ったことがある研究方法論であり、次のような新たな方法でこの目的を達成する方針である。地理情報システムGISを用いて震災前後の建物ポリゴンの重ね合わせて、住宅と土地利用(空地発生)の変容実態を明らかにする。移転再定住による移動軌跡の可視化は、居住環境変容の一つの指標であり、上記方策のほうが居住環境変容の全体像を明らかにする上で有効である。
4. 低頻度メガリスク型沿岸域災害による居住環境再形成のメカニズムの解明:人口・建物・空間情報および震災前後の国勢調査データを活用し、東日本大震災の9市町を事例とした居住環境変容とその規定因を定量的に分析し、居住環境復興メカニズムを解明する。
6.南海トラフ地震による被災想定自治体の事前居住環境復興戦略として実装する:数年前から研究フィールドとしている同地震の被災想定自治体、和歌山県串本町およびすさみ町において参与観察的調査を行い、事前居環境復興戦略の構築に向けた知見を得る。参与観察的調査とは(事前の居住地移転に関する住民意識とその構造を明らかにするためのヒアリング調査、自治体による事前復興支援)などである。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] Texas A and M University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Texas A and M University
  • [国際共同研究] ガジャマダ大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      ガジャマダ大学
  • [国際共同研究] カンタベリー大学(ニュージーランド)

    • 国名
      ニュージーランド
    • 外国機関名
      カンタベリー大学
  • [国際共同研究] チェンマイ大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      チェンマイ大学
  • [国際共同研究] モントリオール大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      モントリオール大学
  • [雑誌論文] 水害の浸水深と住宅取引価格変化の関係分析-ハリケーン・サンディの被災地を対象に-2018

    • 著者名/発表者名
      井上 亮,大津 颯,井内 加奈子
    • 雑誌名

      土木学会論文集B1 (水工学) [水工学論文集]

      巻: 74 巻4 号 ページ: 1315-1320

    • DOI

      https://doi.org/10.2208/jscejhe.74.I_1315

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 東日本大震災5年までの自主住宅移転再建者の意思決定と満足度の関連要因2018

    • 著者名/発表者名
      近藤 民代, 柄谷 友香
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 83 巻 747 号 ページ: 917-927

    • DOI

      https://doi.org/10.3130/aija.83.917

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 米国ハリケーンカトリーナ災害における不動産移管・再生プログラムの不動産取得主体の属性と動機2018

    • 著者名/発表者名
      近藤 民代
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 83巻746号 ページ: 671-678

    • DOI

      https://doi.org/10.3130/aija.83.671

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The Role of Residential Buyouts in Post-Disaster Housing Recovery Support: A Comparison of Recent Cases from Japan and the United States2018

    • 著者名/発表者名
      Elizabeth Maly, Tamiyo Kondo, Michiko Banba, Kanako Iuchi
    • 学会等名
      The 18th International Planning History Society Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Characteristics of Housing Recovery Support Programs after the Great East Japan Earthquake and Tsunami in Japan: Comparison with U.S housing recovery system recovery system2018

    • 著者名/発表者名
      Elizabeth Maly, Tamiyo Kondo
    • 学会等名
      IRCD2018 researchers meeting
    • 国際学会
  • [図書] 災害から一人ひとりを守る (地域づくりの基礎知識4)2019

    • 著者名/発表者名
      北後明彦・大石哲 ・小川まり子編著
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      神戸大学出版会
    • ISBN
      4909364056
  • [図書] 災害に立ち向かう人づくり:減災社会構築と被災地復興の礎2018

    • 著者名/発表者名
      室崎益輝・冨永良喜・兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科編
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      4623082415

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公開日: 2019-12-27  

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