研究課題
本研究課題では、これまでにマウス筋細胞株を用いて開発してきた「運動できる培養筋細胞系」に改良を加えることにより、ヒト由来筋細胞種へと適応開発することを目的としている。健常者のみならず、筋疾患患者より得たヒト筋細胞を培養系にて人為的な収縮運動を負荷することにより、収縮能力の獲得過程や運動応答性に惹起される各種の高次筋機能(マイオカイン類発現調節・代謝能亢進など)を培養系において評価可能な「筋細胞高次機能診断システム」へと展開することを最終目的としている。昨年度までに、ヒト筋細胞が持つ脆弱性を各種医工学的手法で補助することにより克服し、培養ヒト由来筋細胞をEPSにより収縮活動負荷することに成功している。最終年度となるR1年度は、希少筋疾患患者(封入型筋炎)のヒト筋生検サンプルから単離した筋衛星細胞を本特殊培養システムへと適応し、健常者のそれと比較することにより収縮活動負荷に対する筋応答性、特に高次筋機能の差異を正確に評価する事に成功した。特に、昨年度に開発した特殊インサートチェンバーを活用することによりヒト疾患筋細胞単独での運動能力と収縮応答性を遺伝子発現量とシグナル分子群のリン酸化変動として診断を可能にした。また、フィーダー細胞混合培養系を顕微鏡観察システムへと組み込むことにより、高強度の収縮負荷刺激による人為的な筋損傷誘導や、病原性封入体凝集を可視化評価することも可能にした。新規構築した(1)ハイブリッド培養系、(2)フィーダー細胞混在培養系、および(3)特殊インサートチェンバー系の各々優位性を使い分けた「運動できる培養ヒト筋細胞系」を活用することにより、ヒト由来筋細胞の高次筋機能を培養系で評価することが可能となった。本研究成果を基盤とすることにより、希少筋疾患を含めたさまざまな疾患筋細胞の機能評価(細胞診断)や治療薬スクリーニング系へと応用展開が可能となった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件) 備考 (5件)
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https://orcid.org/0000-0002-6884-2955
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