研究課題/領域番号 |
17H02081
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
星 詳子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (50332383)
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研究分担者 |
谷川 ゆかり 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門付 (20344202)
清水 広介 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (30423841)
岡田 英史 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (40221840)
町田 学 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 指定講師 (40396916)
川口 拓之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60510394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生体内光伝播 / 吸収係数 / 換算散乱係数 / 脳組織 |
研究実績の概要 |
ラット脳に対して空間分解計測法(spatially resolved spectroscopy, SRS)を導入するためには、source-detector (SD)間隔を1.25 mm, 1.5 mm, 1.75 mmのマルチディスタンスで計測する必要があるが、現状の光ファイバ径とNAを維持したままSD=1.75mmの計測は光量不足で困難であった。そのため、時間分解計測法(time-resolved spectroscopy, TRS)を用いてSD間隔1.25 mmで計測を行ったが、光ファイバの脳組織への挿入が必用で、光ファイバによる脳損傷が懸念された。計測後に脳を摘出・ホルマリン固定後HE染色で組織を観察したところ、光ファイバを圧力で挿入した場合は大脳皮質に挫滅が生じることが判明したため、くも膜下腔に小さい切開を施してから光ファイバを挿入した。この場合、脳損傷は最小限に抑えられていることを確認し、後者の手法を用いた。 ラット脳では、大脳皮質(体性感覚野)の吸収係数はその直下の白質の吸収係数より大きく、統計学的に有意な差であった。一方、換算散乱係数は白質の方がやや大きめであったが、大脳皮質、白質共にばらつきが大きく平均値に差は認められなかった。吸収係数の違いは、主として脳血流の違いを反映していると考えられた。マカクサルの脳計測からも同様の結果が得られ、さらにサルとラットでは、大脳皮質の吸収係数はサルの方が大きく脳血流の違いを反映していると考えられたが、白質では有意差を認めなかった。また、換算散乱係数にも有意差は認められなかった。 本研究から、ラットで求めた大脳皮質と白質の光学特性値をヒト脳の光学特性値の参考値として用いることができることが確認された。しかし、大脳皮質の吸収係数に関しては、ヒトとラットの脳血流の違いを考慮する必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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