研究課題/領域番号 |
17H02089
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
清水 達也 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40318100)
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研究分担者 |
関谷 佐智子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00398801)
菊地 鉄太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00650805)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腎オルガノイド / 気ー液界面 / かん流培養 / 腎発生 |
研究実績の概要 |
本研究課題では生体腎発生時における血流と血管形成の関係性を明らかにする目的で、iPS細胞から誘導作成した腎オルガノイドを用い、内部血管構築時のかん流培養を実現する培養系構築を目指した。 その結果、iPS細胞からの腎オルガノイド誘導と形態維持を目的とした気―液界面還流システムを構築、プロトタイプチャンバーを用いた解析により、腎オルガノイド下面のかん流が腎オルガノイド内上皮管状構造の発達、オルガノイドの代謝老廃物の単位時間あたり増加を低減することが確認された。一方でかん流量の過剰な増加は上皮管状構造の形成を減弱させることも観察されている。 そこで、高血圧モデルラット(SHR)の胎児期における腎臓の発達を胎生16日にて比較したところ、高血圧ラットにおける腎臓の大きさがコントロール群(WKY)と比較すると小さく、また、尿管芽の分岐構造も発達が乏しいことがわかった。 これらの検討から、胎児環境における母体血圧の差とかん流結果で得られた過剰流量と上皮管状構造の低減に相関がある可能性が推測されたが、母体血圧と胎児血流との関連性が未だ明確に提示できないため、今後の課題と思われる。 一方、上皮管状構造の発達する流量と血管内皮細胞量に影響を与える流量には隔たりがあり、本課題で作成したシステムではかん流培養液に混入した蛍光標識デキストランがオルガノイド全体に主に間質を通過することで浸潤すると考えられ、オルガノイド内の血管内皮細胞管腔構造へのかん流には下部組織で血管構造を構築、連結後に血管内へかん流システムの構築が必要であると考えられた。一方で蛍光標識デキストランは上皮管状構造の上皮細胞内腔側に検出され、上皮細胞の管内外への物質運搬機能が示唆された。今後、さらにオルガノイド内血管系の発達とかん流デバイスの高機能化により腎オルガノイド組織の発達が期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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