研究課題/領域番号 |
17H02090
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
岩崎 清隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339691)
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研究分担者 |
川村 公一 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 客員上級研究員(研究院客員教授) (00091801)
伊藤 匡史 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10328429)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脱細胞化組織 / 膝前十字靭帯再建 / 生体内再生 / 組織再構築 / 脱細胞化 |
研究実績の概要 |
最終年度は、研究代表者が開発した脱細胞化処理および滅菌処理を施したウシ腱を用いてヒツジの膝前十字靭帯再建実験を行った組織について、生体内での細胞浸潤、組織再構築、靭帯化に及ぼす影響を、術後13週および52週時に行う組織学的評価、力学的評価から多面的に分析した。 術後13週の脱細胞化腱中の細胞浸潤数は、正常なヒツジ膝前十字靭帯組織内の細胞数と同程度であった。また、術後52週においても、ヒツジ前十字靭帯に含まれる細胞数と同程度であった。以上から、開発中のウシ由来脱細胞化腱は自己の細胞が体内で浸潤するこれまでの人工材料にはない優れた生体適合性を有することがわかった。 摘出組織を透過型電子顕微鏡を用いて定量的に評価した結果、ヒツジ膝前十字靭帯再建術後13週では脱細胞化腱のコラーゲン線維密度は減少するが、術後52週では膝前十靭帯組織に近い値まで増加した。以上より、我々の技術で脱細胞化した組織は、生体内でコラーゲン線維、すなわち組織が再生することが示された。また、未処理のヒツジ膝前十字靭帯のコラーゲン線維の直径分布と比較した分析から、術後1年では生体内組織リモデリングは途中であると考えられた。 また、大腿骨および脛骨に付着した状態で再建組織の軸方向に定速で引張負荷を作用させて破断荷重を測定し、力学的観点から脱細胞化組織の生体内再構築に関して評価した。その結果、植込み期間13週と比較して、52週で有意に破断荷重が増加し、ヒツジの膝前十字靭帯組織の約70%に達することが明らかとなった。したがって、開発中の脱細胞化腱は生体内で力学的にも組織再構築が起こることが明確になった。 本研究から、脱細胞化腱組織は、再建後に体内で自己細胞が浸潤し、組織再構築、いわゆる生体内リモデリングが起きることが明らかとなり、自己組織で置き換わる画期的特徴を有することが明確となった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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