研究課題/領域番号 |
17H02100
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 静也 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授 (60243242)
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研究分担者 |
小関 正博 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10467582)
黒田 俊一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60263406)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 幹細胞移植 / 糖鎖修飾 / 家族性高コレステロール血症 / 細胞治療 / 肝特異的 |
研究実績の概要 |
前年度の基礎検討で、既製品の化合物同士をアビジンビオチン結合で結合させて細胞修飾を行ったが、細胞が凝集する傾向が強かった。そこで脂肪酸に糖鎖Xを直接結合させた糖鎖脂質誘導体Yを作成して細胞修飾し、蛍光色素でラベルした。条件等を行ったが、糖鎖脂質誘導体Yのみでの修飾では細胞生存率は問題なかったが、蛍光色素でラベルすると単独でも細胞生存率が不良で、糖鎖脂質誘導体Yでの修飾と蛍光色素のラベルを併用するとさらに細胞障害性が強く、ヌードマウスの尾静脈から注入してin vivo imagingで観察する系で観察することは困難であることが分かった。そこで、ヌードマウスと蛍光色素の組み合わせは中断し、 ①マウスをC57Bl/6バックグラウンドのLDL受容体ノックアウトマウスにwestern type dietを負荷したモデルに変更し、糖鎖脂質誘導体Yでマウス脂肪由来幹細胞を修飾したものを作成し尾静脈より移植し、血清LDL-コレステロール値で評価する ②マウスをC57Bl/6に変更し、糖鎖脂質誘導体Yでヒト細胞株由来の細胞を修飾したものを作成し尾静脈より移植し、サクリファイス後、肝切片を作成し抗ヒトTCR 抗体で染色して、生着を評価する の二通りの方針とした。 ①は、マウスの脂肪組織を集めコラゲネース処理し間葉系幹細胞分画を抽出し、十分な細胞数を得ることができるように培養したが、脂肪組織に含まれる幹細胞成分が期待していたほど多くなく、十分な幹細胞を得ることが難しかったため、②で研究を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の基礎検討で、既製品の化合物同士をアビジンビオチン結合で結合させて細胞修飾を行ったが、細胞が凝集する傾向が強かった。そこで脂肪酸に糖鎖Xを直接結合させた糖鎖脂質誘導体Yを作成して細胞修飾し、蛍光色素でラベルした。条件等を行ったが、糖鎖脂質誘導体Yのみでの修飾では細胞生存率は問題なかったが、蛍光色素でラベルすると単独でも細胞生存率が不良で、糖鎖脂質誘導体Yでの修飾と蛍光色素のラベルを併用するとさらに細胞障害性が強く、ヌードマウスの尾静脈から注入してin vivo imagingで観察する系で観察することは困難であることが分かった。 移植した幹細胞の生着をin vivo imagingで追跡することで、効率よく、条件検討する計画であったが、細胞修飾と蛍光色素のラベルを併用すると、どうしても細胞毒性が強く、in vivo imagingで細胞の生着を観察することができなくなり、計画が遅れる原因となった。 ①マウスをC57Bl/6バックグラウンドのLDL受容体ノックアウトマウスにwestern type dietを負荷したモデルに変更し、糖鎖脂質誘導体Yでマウス脂肪由来幹細胞を修飾したものを作成し尾静脈より移植し、血清LDL-コレステロール値で評価する ②マウスをC57Bl/6に変更し、糖鎖脂質誘導体Yでヒト細胞株由来の細胞を修飾したものを作成し尾静脈より移植し、サクリファイス後、肝切片を作成し抗ヒトTCR 抗体で染色して、生着を評価する の二通りの方針としたが、①はマウスの脂肪組織を集めコラゲネース処理し間葉系幹細胞分画を抽出し、十分な細胞数を得ることができるように培養したが、脂肪組織に含まれる幹細胞成分が期待していたほど多くなく、十分な幹細胞を得ることが難しかったため、②で研究を継続しており、切片作成等で時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
脂肪酸に糖鎖Xを直接結合させた糖鎖脂質誘導体Yを作成して細胞修飾し、蛍光色素でラベルした。条件等を行ったが、糖鎖脂質誘導体Yのみでの修飾では細胞生存率は問題なかったが、蛍光色素でラベルすると単独でも細胞生存率が不良で、糖鎖脂質誘導体Yでの修飾と蛍光色素のラベルを併用するとさらに細胞障害性が強く、ヌードマウスの尾静脈から注入してin vivo imagingで観察する系で観察することは困難であることが分かった。よって移植した幹細胞の生着をin vivo imagingで追跡することで、効率よく、条件検討することができなくなったので、 ①マウスをC57Bl/6バックグラウンドのLDL受容体ノックアウトマウスにwestern type dietを負荷したモデルに変更し、糖鎖脂質誘導体Yでマウス脂肪由来幹細胞を修飾したものを作成し尾静脈より移植し、血清LDL-コレステロール値で評価する ②マウスをC57Bl/6に変更し、糖鎖脂質誘導体Yでヒト細胞株由来の細胞を修飾したものを作成し尾静脈より移植し、サクリファイス後、肝切片を作成し抗ヒトTCR 抗体で染色して、生着を評価する、の二通りの方針とした。 ①はマウスの脂肪組織を集めコラゲネース処理し間葉系幹細胞分画を抽出し、十分な細胞数を得ることができるように培養したが、脂肪組織に含まれる幹細胞成分が期待していたほど多くなく、十分な幹細胞を得ることが難しかったため、②で、移植する細胞の種類、移植する細胞数、細胞修飾の程度、移植後サクリファイスまでの日数について各種条件検討を行うことにした。これらで十分な結果が得られなかった場合には、脂肪酸に糖鎖Xを直接結合させた糖鎖脂質誘導体Yについて、脂肪酸の種類を変更しあらたに糖鎖脂質誘導体Zを作成して、条件検討を行う。
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