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2017 年度 実績報告書

生体内組織合成法を用いた異種移植可能な心臓弁膜用バイオシートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H02101
研究機関大分大学

研究代表者

首藤 敬史  大分大学, 医学部, 助教 (60649763)

研究分担者 西邑 隆徳  北海道大学, 農学研究院, 教授 (10237729)
穴井 博文  大分大学, 医学部, 教授 (20291544)
河島 毅之  大分大学, 医学部, 病院特任助教 (20791049)
中山 泰秀  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他, 研究員 (50250262)
和田 朋之  大分大学, 医学部, 准教授 (60325701)
岩井 良輔  岡山理科大学, 付置研究所, 講師 (60611481)
宮本 伸二  大分大学, 医学部, 教授 (70253797)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード異種移植 / 脱細胞 / 再生医療 / 弁膜症 / 大動脈弁
研究実績の概要

ウシ皮下に基材を植込、2ヶ月後基材を取り出しバイオシートを得て、以下の脱細胞とDNA定量を行った。バイオシートをTritonX-100, DNaseとを含む脱細胞反応液に浸漬し、24時間ごとに反応液を全量交換しながら37℃、170 rpmにて96時間振盪した。PBS(-)液に浸漬し室温で24時間振盪することで脱細胞反応液を洗い流した。DNA抽出キットを用いてバイオシートからDNAを抽出した後、吸光度測定により残存DNA量を定量した。次に脱細胞したウシバイオシートを用いての生体親和性試験(皮下埋植試験)を行った。未処理のバイオシート、脱細胞化したバイオシート、及びウシ心のう膜シートを生理食塩水に浸漬することで、洗浄した。成ヤギ(38kg)の背部~腹部にかけての体側皮下の脂肪層に上記のシート状組織体を埋植した。埋植4週後に、組織を摘出し4%パラホルムアルデヒドリン酸緩衝液に浸漬し4℃で一晩静置することで組織を固定化しHE染色を行うことで組織観察を行った。また以下の細胞親和性試験(細胞培養試験)も行った。生検トレパンを用いて脱細胞化バイオシートからφ2 mmの円形組織を切り出し、その上にヒト臍帯静脈内皮細胞播種し、内皮細胞増殖培地24時間培養した。24時間後組織を固定化し、その切片のヘマトキシリン染色を行うことで組織中の細胞の観察を行った。また脱細胞前後のウシバイオシートの力学的強度試験(短軸引張試験)も行った。
脱細胞によりDNAはほとんど検出されなくなった。一方皮下に植えられた脱細胞シートは炎症細胞の浸潤が見られず線維芽細胞の浸潤、血管新生が見られたに対し、非脱細胞シートは周囲を肉芽組織に覆われシート内へのリンパ系細胞浸潤とそれにより細胞が分解され無細胞状態となっていた。また引っ張り強さ、最大ヤング率、破断ひずみ等脱細胞前後でウシバイオシートの強度物性に変化はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ウシバイオシートの基材設計と材質特定ができずにウシバイオシートの最適な脱細胞方法、条件の特定に時間がかかり、それを用いての最適な脱細胞方法、条件特定にも時間を要してしまったが最終的には強度を保ちながらDNA含有量をなくすことができるほぼ満足行く脱細胞方法を確立することができた。実際に脱細胞バイオシートの大動脈弁位置への移植までは突立つできなかった。

今後の研究の推進方策

昨年度確立した脱細胞方法を用いて、ヤギの大動脈弁再建術を行い6カ月モデル4頭、1年モデル4頭作成して、遠隔期の弁機能評価(心臓カテーテル検査、超音波検査)、弁組織変化を分析する。対象となるのはすでにわれわれが得ている自己バイオシートモデル(6カ月、1年)と自己心膜による大動脈再建モデルとする。

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公開日: 2018-12-17  

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