研究課題
再生医療技術「生体内組織形成術」(体内造形)を基盤として、それによって作成された生体材料(膜)を脱細胞することで異種動物への移植が可能であることを証明する。またその組織が自己心膜より生体適合性、耐久性に優れることを確認し、若年者での弁再建に使用する材料として優れていることを証明する。血栓性や耐久性に問題を有し生着性の欠如する人工代用弁、自己心膜に置き換わる、待望の成長性の可能性を有する「再生型異種弁膜」を安全、確実、経済的に提供可能となり、一般医療として普及をめざすことを目的とした。本年は昨年大動脈弁位に移植したモデル(自己心膜1年モデル2頭、自己バイオシート1年モデル2頭、異種バイオシートモデル2頭:牛バイオシート脱細胞モデル)を安楽死させその病理学的検討を行った。また異種バイオシート2頭は現在飼育継続中である。自己心膜モデルは弁尖の石灰化をみとめたが他のバイオシートモデルでは自己、異種ともに石灰化を認めなかった。自己バイオシートモデルでは弁逢着部からのαSMA細胞の浸潤は弁中腹まで見られ一部左室側に弾性線維も形成されかつバイオシート組織が消失しつつあり、自己弁化がすすんでいた。一方自己心膜モデル、異種バイオシートモデルでは自己バイオシートのような移植片の吸収はみられずしっかりと存在し、自己組織化は進んでいなかった。脱細胞により異種の拒絶反応は抑えられていたが、自己バイオシートとことなりシートの吸収を伴う自己組織(弁)化は半年経過しても全く見られていなかった。この原因は脱細胞過程でのコラーゲン線維に与えた変化、種による影響などが考えれた。今後は脱細胞方法の更なる研究と種(豚など)の変更を検討していき、より適合性のある異種バイオシートの開発を進める
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Biomechanics(J Biomech. )
巻: 99 ページ: -
https://doi.org/10.1016/j.jbiomech.2019.109528