研究課題
MRIを用いて生体組織の硬さ(弾性)を測定するMR elastography (MRE)は,肝線維症の病期判定に利用されており,今後様々な疾患に適用されることが期待される.MREを定量的画像バイオマーカーとして利用するには,測定システムとしての定量性と再現性が高く,病期判定に利用できる統一的なカットオフ値がまとめられたデータベースが整備されることが望ましい.しかし,現状ではシステム更新前後や施設が異なると測定値に差が生じている.統一的なカットオフ値を求めるためには,システム特性に基づく誤差要因の理解と適切な撮像プロトコルの利用が必要である.本研究では,MREシステムの特性評価法の確立と,特性に基づく適切な撮像プロトコルの選定,適切なプロトコルにより計測された硬さ情報に基づく疾患データベースの構築を目的とする.本年度は,MR装置を用いたエラストグラフィシステム(MRE)の評価用に開発したファントムを改良し,超音波診断装置を用いたエラストグラフィシステム(USE)でも測定可能な,MRE・USE両用ファントムを開発した.また,MREやUSEを定量的画像バイオマーカーとして広く利用していくにあたり,日本磁気共鳴医学会や日本超音波医学会,MREやUSE導入施設と協調して評価を実施するための調整をした.また,RSNAの定量的画像バイオマーカー連合 (quantitative imaging biomarkers alliance, QIBA)やこれと連携した日本医学放射線学会のJapan QIBA,MREシステムの開発元であるMayo Clinic,MRIメーカと情報交換などを行った.開発したファントムを利用して多施設・多装置での評価を実施した.
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウィルスの影響により出張ができなくなったことで,年度末に計画していた他施設を訪問しての実験ができなかったため.
1)粘弾性の異なるMRE・USE両用ファントムの開発今年度開発した,MR装置を用いたエラストグラフィシステム(MRE)と超音波診断装置を用いたエラストグラフィシステム(USE)で測定可能な両用ファントムを改良し,粘弾性の異なる複数のファントムを開発する.2)多施設・多装置での評価の実施MREやUSE導入施設と協調して評価実験を実施する.また,RSNAの定量的画像バイオマーカー連合 (quantitative imaging biomarkers alliance, QIBA)やこれと連携した日本医学放射線学会のJapan QIBA,MREシステムの開発元であるMayo Clinic,MRIメーカとも密に連携し,情報交換や共同実験を行う.
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 1件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 6件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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