研究課題
医師は触診により疾患の存在や進展による組織の力学的性質の変化を評価することができる.エラストグラフィは,生体組織の粘弾性分布を非侵襲的かつ定量的に測定する手法である.病理学的に小さな変化でも生体組織の粘弾性は大きく変化することから,疾患の病期判定や鑑別にエラストグラフィは有効である.現在臨床では磁気共鳴画像装置を用いるmagnetic resonance elastography(MRE)と超音波診断装置を用いるultrasound elastography(USE)が使われている.北米放射線学会(RSNA)により設立されたquantitative imaging biomarkers alliance(QIBA)と,QIBAと連携したJapan-QIBA(J-QIBA)にはMREとUSEの委員会があり,いずれもshear wave imagingに関する検討が進められている.本研究では,粘弾性を広い周波数帯域で正確に測定可能なMREシステムを開発するとともに,臨床用エラストグラフィによる粘弾性測定の定量性や再現性の評価,施設間や機種間の比較をするために,長期安定性を有する生体組織の粘弾性を模擬した高分子ゲルファントムを開発した.ファントムの経時的安定性を確認した後,MRE・USEの両システムの定量性を評価した.測定手法や装置メーカー,測定モード,測定深度など,各種条件下での測定値を評価し,得られた結果を公開した.また,QIBAでのMRE委員会委員,および,J-QIBAでのMRE委員会工学系代表委員,および,国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission, IEC)のTC87-WG9 メンバーとして,得られた成果を共有した.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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