研究分担者 |
與谷 謙吾 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (10581142)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40253926)
桐本 光 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (40406260)
石道 峰典 大阪工業大学, 工学部, 講師 (80737536)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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研究実績の概要 |
骨組織に対する機械的荷重処方の骨量及び骨微細構造に及ぼす影響について調べ、サイクリックな機械的荷重の強度、介入期間と頻度について検討しようとした。また高齢期における骨細胞ネットワークと骨強度について調べた。 約4ヶ月齢のラット脛骨を対象に、2秒荷重-8秒休止のサイクリックな骨ひずみが生じるよう機械的荷重を平均strain rate 7,000 (microstrain/sec)以上の速さで荷重装置を用いて処方した。介入期間は4週間で、介入頻度を4週間隔、2週間隔、1週間隔、介入なしとした。介入後に脛骨を採取し、三次元micro CT撮影装置で脛骨骨幹端及び骨幹部を撮影して画像解析ソフトを用いて立体構築した後、骨量(BV/TV)並びに骨梁微細構造(骨梁幅: Tb.Th,、骨梁数: Tb.N,、骨梁間距離: Tb.Sp,、骨梁連結密度: Conn.Dn)を計測した。 介入を行わなかった群に比較して、1週間隔で4週間実施した群では有意に脛骨海綿骨の骨量(BV/TV)は高値を示した。また、骨梁微細構造に対する影響について、Tb.Th.、Tb.N.は1週間隔の介入で有意に高いレベルを示した。一方、Tb.Sp,、Conn.Dnについては有意な差はなく、構造的パラメータ特にネットワーク構造には変化は現れなかった。次に、高齢期の脛骨骨幹部の観察で、骨細胞密度や小腔率とBV/TVとの関係を調べた結果、ともに有意な負の相関関係が観察された。 若齢期において週1回の介入頻度で4週間処方した一定以上のstrain rateとなる機械的荷重により、マイクロCTで評価した脛骨骨幹端の骨量を高め、骨梁構造を改善する効果が示唆された。また高齢期において骨量と骨細胞密度とは負の相関関係があることが示唆された。
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