• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

蹴り出しを改善できる足関節制御機能付き短下肢装具用ソールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H02138
研究機関神奈川県立保健福祉大学

研究代表者

米津 亮  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (50363859)

研究分担者 成澤 雅紀  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00244658)
黒澤 千尋  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (10738884)
岩田 晃  大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 准教授 (90382241)
小栢 進也  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90611426)
島津 尚子  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (90738866)
淵岡 聡  大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (30290381)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード短下肢装具 / 歩行 / 脳卒中後遺症者
研究実績の概要

短下肢装具は、脳卒中後遺症者の基本動作を支援できる福祉用具であるが、歩行中に力強い蹴り出しができないことに課題を抱え続けている。我々は、短下肢装具に残存するこの課題に対し、中足指節関節の関節運動を再現できるソールを考案した。本研究では、我々が着想した研究シーズを応用し、脳卒中後遺症者の機能回復を推し進め、より自然に歩くことができる短下肢装具を開発することで、彼らの自立生活を支援することを最終目的とする。
当該年度は、昨年度ソール素材として絞り込んだ2種類の素材(Soft-CFRPとSoft-アラミドFRP)に対し、追加の応力緩和試験や柔軟性試験を実施した。そして、繰り返しの曲げ伸ばしに対する復元性という観点で、Soft-CFRPがソール素材として最も適する結果を得た。この結果に基づき、Soft-CFRPを短下肢装具ソール材に使用したプロトタイプを試作し、まず健常成人を対象とした基礎実験を実施した。具体的には、中足指節関節の背屈角度がつま先をカットアウトしたものと同等か検討を行い、高い再現性が担保されたことを確認した。そのうえで、油圧で足関節の底屈運動を制動する短下肢装具に我々のソール機構を組み込んだプロトタイプ(Ⅱ)を作製した。そして、このプロトタイプ(Ⅱ)で脳卒中後遺症者での予備実験を実施した。その結果、歩行時に蹴り出し力が改善する対象者を確認し、開発しようとする短下肢装具ソールの妥当性が確認できつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

開発しようとする短下肢装具のソール素材については、耐久性の確保という観点で様々な素材特性評価から1種類に絞り込めたことは、工学的研究という観点で大きな成果と考えている。また、既に試作したプロトタイプ(Ⅱ)での脳卒中後遺症者での予備実験を通して、蹴り出しの改善が確認できた点は、本研究で進めるソール開発を後押しする知見である。
最後に、プロトタイプ(Ⅱ)をリハビリテーション場面で処方・導入するにあたり、どのような臨床的所見を有する脳卒中後遺症者に適応するか、その選定基準についても視野に入れる段階まで研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、脳卒中後遺症者での実証実験を行い、その有効性を立証することである。そのため、今後も臨床施設の協力を得て、研究計測を実施する。そして、一部の研究計測者には、装具のモニタリングの実施と共に、ソール素材の耐久性も検討する。
また、試作した短下肢装具が脳卒中後遺症者の機能回復を進めるために必要な研究を多角的に実施する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] Effects of an ankle foot orthosis that can recreate dorsiflexion of the metatarsophalangeal joint on gait in a child with spastic hemiplegia cerebral palsy2018

    • 著者名/発表者名
      Yonetsu R,Suzuki J,Saito A,Yamagata M,Fuchioka S
    • 学会等名
      The XXII ISEK Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 短下肢装具を使用する地域小学校に通う脳性麻痺児の日中活動量に関する調査研究2018

    • 著者名/発表者名
      米津 亮,鈴木淳也,齋藤聡佳,山縣 学,成澤雅紀
    • 学会等名
      第25回日本義肢装具士協会学術大会
  • [学会発表] 中足指節関節の背屈運動を再現できる短下肢装具の装着効果-痙直型片麻痺児1症例の歩行中における麻痺側上肢連合反応の消失メカニズム2018

    • 著者名/発表者名
      米津 亮,鈴木淳也,齋藤聡佳,山縣 学,淵岡 聡
    • 学会等名
      第34回日本義肢装具学会学術大会
  • [学会発表] Soft FRP系素材に対するリハビリテーションの視点からの力学特性評価2018

    • 著者名/発表者名
      成澤雅紀,衣笠尊彦,井上博史,鈴木淳也,斎藤聡佳,米津 亮
    • 学会等名
      第37回無機高分子研究会
  • [備考] Research map

    • URL

      https://researchmap.jp/read0140811/?lang=japanese

  • [備考] Research gate

    • URL

      https://www.researchgate.net/profile/Yonetsu_Ryo/stats/report/weekly/2019-05-05

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi