(研究1)静的ストレッチングが伸張反射の影響を含むアクティブ筋スティッフネスに及ぼす影響 伸張反射を低下させることが知られている静的ストレッチング(10分間)が、伸張反射の影響の有無による2種類のアクティブ筋スティッフネスに及ぼす影響を検証した。2種類のアクティブ筋スティッフネスについては、伸張反射の影響を含まない条件では角速度が毎秒250度で伸張開始から60ミリ秒まで、伸張反射の影響を含む条件では角速度が毎秒100度で伸張開始から110ミリ秒までとした。10分間の静的ストレッチングにより伸張反射(伸張前に対する伸張後の筋電図積分値の比から評価)は低下する傾向を示したが、両条件によるアクティブ筋スティッフネスに有意な変化は認められなかった。したがって、含むアクティブ筋スティッフネスは伸張反射の影響を受けないことが示唆された。 (研究2)腱の力学的特性およびコラーゲン線維配向に及ぼす加齢の影響 高齢者群および若年者群を対象に、アキレス腱の力学的特性とコラーゲン線維配向を比較した。腱の力学的特性(伸張量、ヒステリシス)については、伸張速度の遅いランプ条件と速いバリステイック条件での等尺性収縮中の腱張力ー伸張量関係から評価した。コラーゲン線維配向については、腱の超音波横断画像の輝度変動係数から推定した。バリステイック条件はランプ条件よりも腱の伸張量が小さく、ヒステリシスが大きくなるが、両条件の差が高齢者の方が小さくなった。この結果は、腱内の水分量の差に起因していることがうかがえた。一方、コラーゲン線維配向には、両群間で差はみられなかった。
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