1. 文献調査や実際の身体障がい者スイマーおよび関係者への聞き取り調査などを行い,身体障がいの中でも特に重要と考えられる,本研究で対象とすべき身体障がいを両大腿切断および片前腕切断と決定した. 2. 対象とした身体障がいを,応募者らが開発済みの水泳研究用力学シミュレータ上において表現したシミュレーションモデルの構築を行った.なお筋力特性については,従来研究で用いていた健常者のものを用いることとした. 3. 試験的に最適化シミュレーションを実行した.その結果,両大腿切断については,ストローク周期1.0秒の際に最大の泳速度が得られること,またストロークのキャッチ局面の際に手首の掌屈角を35度とした際に最大の泳速度が得られることがわかった.また各ストローク周期での最適化ストロークの特徴としては,ストローク周期が短い場合には,手が体幹のそばを通るようなストローク軌跡となり,ストローク周期が長い場合には,手が体幹の外側に逃げるようなストローク軌跡となることがわかった. 4. 検証のための人間型スイマーロボットの実験準備を行った.具体的には,身体障がい者スイマーの泳動作が実行できるよう,スイマーロボットに改造を施した.また,人間型スイマーロボットを実験用回流水槽に取り付けるための治具などの設計製作も行った.そして筑波大学屋内プール内施設内の回流水槽に設置し,泳動作時の推進力の測定を行った. 5. 関連する国内・国際会議に参加し,関連する研究の最新の情報収集を行った.
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