研究課題/領域番号 |
17H02156
|
研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
石川 昌紀 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (20513881)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 二関節筋 / 競技スポーツ / 超音波 / 陸上 / パラアスリート |
研究実績の概要 |
身体運動は,骨に付着している様々な筋肉の活動を介した関節運動によって行われる.特にダイナミックな身体運動では,筋肉量でパフォーマンスが決定されることはなく,神経系の調整による筋腱の相互作用が運動効率やパワー発揮に重要な役割を果たす.本研究では,様々な競技種目のスポーツ選手の下腿・大腿の筋腱・骨格の形態的特徴について明らかにしている.また,それらの機能的な振る舞いを測定し,競技力に関係する要因について検討している.特に下腿・大腿の同時測定による多筋群の制御と二関節筋の振る舞いの解明は,動作習得や複雑な動きの制御など競技力向上や障害発生のメカニクス研究に役立ち,トレーニングの方策を示すことができると期待される. 本研究課題に関する倫理審査は昨年受理され,実施してきた陸上短距離選手のハムストレングス筋群の形態的特徴の測定データについては,学会発表を終え論文にまとめ出版された.その他,長距離選手,跳躍,投てき種目や,他競技種目についても測定を実施しており,これらのデータについては今年度中に投稿を予定している. トップアスリートのデータを取得するために,世界選手権代表クラスの選手の筋腱形態測定を依頼している.しかしながら,世界陸上でのポイント制へのルール改正によって,選手のレースへの参加頻度が高まり,測定許可がなかなか得られていない.論文にまとめられるだけのデータが集まっていないため,今年度も測定許可が得られるように引き続き交渉していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験に関する倫理審査は受理され,陸上選手の形態は測定することができた. トップアスリートの測定が,世界陸上のポイント制のルール改正によって,選手の大会への出場頻度が増え,測定する時間が取れなくなっており,測定の調整が難航している. 研究成果について,学会発表は国内外でこなせており,投稿した論文も1本採択された.現在2本査読中で,今年度中には掲載されることが期待される. 測定が若干遅れていることから,“やや遅れている”とした.
|
今後の研究の推進方策 |
3年目では,陸上のトップアスリート,その他の競技選手の筋腱・骨格の形態測定とスポーツ動作の筋腱の機能測定を引き続き実施できるよう交渉する.現在査読中の形態と機能に関する論文を,今年度中には採択されるように努める. 形態的違いだけでなく,筋の活動パターンや筋腱の振る舞いとの関係について,走・跳・泳の統合された身体運動における同一筋内の異なる機能調整やその神経―筋の制御機序の解明について明らかにしていく.
|