生涯を健康で過ごすためには骨格筋の機能維持が重要視されており、とりわけ代謝の要であるミトコンドリア(Mito)の機能は細胞機能にも影響を与える。筋細胞のみに発現する酸素結合タンパク質:ミオグロビン(Mb)がMito内部にも存在することを明らかにした本研究の成果は、MbがMitoの機能を直接的に向上させる機能を有している可能性を示している。つまり、筋細胞特異的なMito機能亢進メカニズムの一つである可能性がある。また、Mbのような本来Mito内部に存在しないと考えられていたタンパク質がMitoに内在することは、Mitoへの輸送機序が存在する可能性があり、細胞生物学的にも萌芽的なエビデンスである。
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