研究課題
本研究では、培養骨格筋細胞をシリコーン製の基板上で培養し、収縮させた際に基板表面に生じるシワの数を定量することで、筋細胞の張力を測定する系を構築することを目的とした。これまでにシリコーン製基板上で筋細胞を培養し収縮させるための基礎条件を設定し、それを定量するためのアルゴリズムの作製、シワと張力の関係性の検証、ならびにそれを評価するためのモデル細胞での検証を行った。また、2019年度にはこの系をスループット化するために、24ウェルプレートで測定できる系に改良した。2020年度は24ウェルプレート系を用いて、2ウェルプレートと同様の結果が得られるかの検証を行った。その結果、24ウェルプレートでもこれまでの2ウェルプレートと同様の結果が得られることが明らかとなった。さらに、これらを用いて、筋萎縮薬のスクリーニングが可能かの検証をおこなった。萎縮阻害薬候補の1つを萎縮させた筋細胞に作用させ、収縮力を測定したところ、萎縮させた細胞に比べ有意に筋収縮力が高くなり、本系で阻害効果が検証できることが明らかとなった。さらに、筋線維をもちいて本系で、収縮力を測定できないかの検証を行った。しかし、筋線維をシリコーン基板に接着させることが難しく、収縮力をシワとして測定することができなかった。筋線維の収縮力は、全く別のアイデアで検証する必要があると考えられた。本研究で得られた結果は、現在英文誌への投稿のため論文にまとめている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
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