研究課題
2020年度は、開設したウェブサイトの評価をする年度として位置付けた。具体的には、2019年11月から2020年7月に、同ウェブサイトにかかわる大規模なウェブ調査を実施した。対象は日本国内のHIV陽性者と設定した。結果として有効回答者908人の回答をデータ化した。データ分析の結果、同ウェブサイトにアクセスしたことがある人は33.6%(305人)に上っていることがわかった。コンテンツのうち「役立った」との回答が多かったのはU=U(138人)、次いで性病リスク・セルフチェック(65人)、HIVと就労(65人)の順になっていた。今後新たに付け加えてもらいたい内容を自由記載でたずねたところ118人が回答し、医療・服薬・病院、人間関係(恋愛・出会い・SNSなど)に関する情報、仕事やメンタルヘルスや老後に関する情報のニーズが高かった。以上から、本研究で開設したウェブサイトにはHIV陽性者が一定程度アクセスしたこと、また有用と感じられていることが示された。今後は、さらなるニーズに合わせたコンテンツの修正などを行い、このウェブサイトの発展をし、HIV陽性者の生活の質や<生>の向上に寄与する内容にしていくことが求められる。また、今回は新型コロナウイルス感染拡大時期と重なり、当事者であるHIV陽性者らとは、ZOOMではやり取りしたものの、直接膝をつき合わせて議論しつくすことができず、彼らの使い勝手を十分に反映させたウェブサイト構築ができたとはいいがたいところもある。今後の改善においては、ICTの進歩を見据えながら、当事者参加型でのプロジェクト進行を積極的に進めていくことが必要となるだろう。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
日本エイズ学会誌
巻: 22 ページ: 87 - 99
公衆衛生
巻: 84 ページ: 812 - 817