| 研究課題/領域番号 |
17H02170
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| 研究機関 | 早稲田大学 |
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研究代表者 |
竹中 晃二 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80103133)
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| 研究分担者 |
上地 広昭 山口大学, 教育学部, 准教授 (60367084)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 学校ポジティブ教育 / メンタルヘルス・プロモーション / 強み / レジリエンス |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，児童を対象に，肯定的なメンタルヘルスを強化し（メンタルヘルス・プロモーション），加えて個人の「長所（または強み）」(例えば創造性，ユーモア，好奇心，熱意，リーダーシップなど）を強調した『学校ポジティブ教育カリキュラム』を開発を行い，その効果を児童・生徒のみならず教師の評価によって検討することである。本研究では，まず児童のメンタルヘルスをよい状態に保ち，つづいて自身の「強み」に気づかせ，その「強み」を学校・日常生活で発揮させることによって諸問題の解決に迫ろうとしている。
平成29年度では，肯定的なメンタルヘルスを強化することを目的に，介入校において「こころのABC活動」と名付けたメンタルヘルス・プロモーション活動を実施した。その内容は，1）学校内における既存の行事や活動に関連させること，2）いくつかの教科学習の中で関係する単元に盛り込むこと（例えば，体育のからだほぐしなど），3）帰りの会で実施すること，など既存の授業や行事の中で「こころのABC活動」を教授した。
平成30年度では，平成29年度で行ってきた活動を継続しながら，新たな研究としてタブレット端末を用いた「強み」強化の介入を実施した。小学校5年生の介入クラスでは，最初に「強み」調査を実施し，強み24項目中の上位5項目を個別に登録し，小学校における帰りの会でそれら5項目の「強み」をどれだけ認識・活用できたかを評価させ，また担任教師からのフィードバックも行った。その結果，介入クラスは，統制クラス（ウェイティングリスト群）と比べて3週間後の「強み」認識・活用得点が有意に増加し，学校エンゲイジメント得点が改善した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成29年度には，「こころのABC活動」を用い，児童のメンタルヘルスを整えることに焦点を絞った介入を行った。つづいて平成30年度では，学校ポジティブ教育の評価に関わる調査用紙とタッチパネル型タブレット端末による「強み」介入プログラムを開発し，実践した。タッチパネル型タブレット端末による「強み」介入プログラムでは，まず「強み」 調査を行い，「強み」上位5項目の登録後にフィードバック・コメントやアドバイスが提示されるようにソフトウェア開発を行った。本システムは，個々の児童における「強み」の入力とフィードバック・コメントやアドバイスが提示され，対象となる児童は，自身の「強み」について，単に測定・確認で終わることなく，意識して活用し，フィードバック・コメントやアドバイスによって「強み」発揮を強化できた。
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| 今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成31年度（令和元年）では，「こころのABC活動」を既存の学校行事や教科内容に組み込み，地域のパートナーと協働して，学校全体で普及・啓発する仕組みを開発する。さらに，タブレット端末を使った「強み」教育を充実させながら，紙媒体の「強み」ワークブックも開発し，学級活動での活用を支援する。本年度は，これらの実践と評価をまとめることが重点課題ではあるが，研究フィールドにとどまらず，学校ポジティブ教育を他の学校にも広く普及したいと考えている。
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