研究課題
本研究の目的は,学校全体を対象に,児童において肯定的なメンタルヘルス(メンタルヘルス・プロモーション)および個々人の「強み」(例えば,創造性,ユーモア,好奇心,熱意,リーダーシップなど)を強化する『学校ポジティブ教育プログラム』を開発し,その効果を児童のみならず教師の評価によって検証することであった。現在,我が国の学校においては,不登校,いじめ,暴力などの他,児童・生徒における学習意欲の低下,社会性の欠如,基本的ライフスタイルの乱れが顕著に現れている。深刻さを増す,これらの課題を解決するためには,個々の問題に対する従来型の対症療法的対処とは別に,児童の自発的行動を促す包括的アプローチが必要である。本研究では,まず児童のメンタルヘルスをよい状態に保ち,つづいて自身の「強み」に気づかせ,その「強み」を学校・日常生活で発揮させることによって諸問題の解決に迫ろうと試みた。最終年度となる令和元年度では,「こころのABC活動」を既存の学校行事や教科内容に組み込み,地域のパートナーと協働して,学校全体で普及・啓発する仕組みを開発した。さらに,前年度に開発したタブレット端末による「強み」教育を複数のクラスにも実践させ,同時に7種類の紙媒体「強み」ワークブックを開発して全学年の学級活動で活用できるように支援した。これら「強み」介入について実践・評価を行った結果,どの学年においても,学校エンゲイジメント尺度およびストレス評価尺度において有意な改善を見せた。加えて,教員によるフォーカスグループインタビューを開催し,学校ポジティブ教育の全体について高評価を得ることができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Occupational Safety and Health
巻: 12 ページ: 135~144
10.2486/josh.00_12_JOSH-2019-0012-SO
ストレスマネジメント研究
巻: 15 ページ: 2 8
http://takenaka-waseda.jp/