研究課題
本研究は、3年間の研究期間において、歩行姿勢と前向き思考の神経基盤を、行動実験と脳イメージング(fMRIやEEG) を用いて明らかにすることが目標である。当該年度である平成29年度は、前向き思考に関わる歩行姿勢の特徴を抽出することを目的として、以下の実験を実施した。まず、前向き思考と歩行姿勢データ収集のための実験環境をセットアップするために、モーションキャプチャーとキネクトを導入し、重心計測が可能なトレッドミルに合体させた。さらに、トレッドミルを被験者の歩行速度を追従することができるように調整した。フィジビリティテストを行い、歩行姿勢の記録と解析が可能であることを確認した。次に、被験者18名に対して、前方移動を促すオプティカルフロー動画と後方移動を促す動画を提示し、動画観察中の重心移動位置を計測し、姿勢動揺データを収集した。機械学習を用いて、各個人の姿勢動揺データから80%以上の確率で被験者がどちらの方向の動画を見ているか予測することが可能であることを見出した。さらに、オプティカルフロー動画提示後に、様々な出来事を画面に提示し、1ヶ月以内に自分の身に生じる可能性を確率で回答させた(前向き思考誘発課題40試行)。機械学習を用いて、各個人の姿勢動揺データから、ポジティブな予測をするかネガティブな予測をするかを80%以上の確率で予測可能であることを見出した。これらの結果は、現在論文投稿準備中である。
1: 当初の計画以上に進展している
姿勢動揺データから個人の前向き移動・前向き思考を予測可能であることを見出したことは、当初の予定より進展した結果である。
引き続き、本研究計画を遂行する。
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