研究課題
糖尿病は、アルツハイマー型認知症(AD)のリスク因子であることが明らかとなってきている。本研究では、糖代謝異常に伴全身の代謝シグナル経路の変化と認知機能障害の関係を明らかにする事を目的としている。平成29年度は、主として脳の代謝シグナルの変化と認知機能について解析を行い、以下の結果が得られた。1)2型糖尿病モデル動物を用いて、加齢に伴い認知機能障害が誘導される時の脳代謝シグナルの変化について明らかにした。2)1型糖尿病モデル動物を用いた解析から、2型とはパターンの異なる認知機能異常を示すが、その時、一部2型糖尿病と同じ脳代謝シグナルの変化を伴う事を明らかにした。3)次世代型アルツハイマー(AD)モデルマウスの解析から、当該マウスが7ヶ月齢以降で認知機能の低下を呈する時、2型および1型糖尿病と共通の脳代謝シグナルの変化を示す事を明らかにした。
3: やや遅れている
シグナル経路の解析の結果、予期しなかったタンパク質の複数の異なる変化が認知機能障害モデルマウスの脳に観察されることが分かったため、本研究の指標として使用している代謝シグナルの脳での変化および使用する当該シグナル変異マウスの表現型について再度詳細に調べる必要性が生じたため。
本年度得られた結果について詳細な解析を進めると共に、認知機能低下に伴う脳代謝シグナル下流分岐経路の変化および末梢組織の当該シグナルについても検討を行う。また、ADモデルマウスに関しては代謝パラメーターについて解析を行う。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)
Sci. Rep.,
巻: 7(1) ページ: 8471-8480
10.1038/s41598-017-08849-3.
Medical Science Digest.
巻: 43(10) ページ: 2-4