研究課題/領域番号 |
17H02201
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
蓮見 惠司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20208474)
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研究分担者 |
鈴木 絵里子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (00468513)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Epoxide hydrolase / Inhibitor / Substrate / Lipid mediator |
研究実績の概要 |
(1)sEHの存在・非存在下で極性脂質画分をインキュベートし、生ずる産物を重水素標識ダンシルクロライド(DNS-Cl-d6)あるいはnormoisotopic DNS-Clを用いて誘導体化した後にLC-MS/MSによる一斉分析するという新たに開発した方法を改良し、sn-1位にパルミチン酸、sn-2位に多価不飽和長鎖脂肪酸を有するホスファチジン酸(PA)を候補として同定した。特にsn-2位にdocosahexaenoic acidを有するPA(16:0-22:6)は極めて選択的な基質であった。Nterm-phos選択的阻害剤はLPSにより誘導されるヒト微小血管内皮細胞の活性化(接着分子発現)を抑制するが、Nterm-phos阻害剤の代わりに基質候補分子組成物処理によっても阻害が確認され、基質候補分子のsEH処理により阻害が消失した。すなわち、内因性のNterm-phos基質(PA)が内皮活性化の制御に関わることが強く示唆される。 (2)sEH欠損マウスやsEH阻害剤投与マウスは炎症抵抗性を示す。その機序を詳細に解析した結果、Nterm-phos阻害剤投与により、筋組織でのbeta-2アドレナリン受容体経路によるIL-6産生増加を明らかにした。驚くべきことに、sEH欠損マウスでも同様なIL-6産生の増加が観察された。レプチン遺伝子に変異をもち、過食のため肥満、高血糖、脂肪肝を発症するob/obマウスにsEH阻害剤を投与すると、これらの病態の劇的改善がみられるが、IL-6投与によっても同じことがもたらされた。 【結論】Nterm-phosは生理活性PAの代謝をコントロールすることにより、血管内皮細胞においては接着分子発現制御、筋組織においてはbeta-2アドレナリン受容体経路でのIL-6産生制御に関わる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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